私がいた90年代までの日本は、進んでいた。

ケータイも持ってたし、普通のテレビだって7から9チャンネルのチョイスがあったし、コンビニは24時間開いてるし、回転寿司は普通だし、エアコンや電動窓どころか、カーナビだって車に付いてたし、ムダ毛処理などの美容機器や各種サプリも手に入った。玄関のモニター付きインターホン、トイレだって和式がある一方、電動温水ハイテクものだ。

それが恵まれていると気づいたのは、英国に来た時だ。

ところが、コンピューター関連の発達に乗り遅れ、日本は完全に置いて行かれた。

勿論、日本のコンピューター箱物メーカーは進化していたのだが、マイクロソフトがスタンダードになった頃かソフトを持っていかれた東芝事件以降だろうか。スマホに乗り遅れた頃だろうか。円高で全て流出したからだろうか。日本だけでなく、欧米の既存メーカーは軒並みマイクロソフトとアップルに手も足も出なくなってしまった。デザインでは後進国だったのが、テクノロジーでも敗北した。

それに加え、日本ではコンピューターの教育が殆ど無く、オタクに任せきりで、キーボードが打てない人口が多すぎた。

 

テレビのデジタル化に伴い、2000年代後半には英国ではスカイなどの衛星やケーブルがなくとも(お金を余分に払わなくとも)50チャンネルくらい見ることができるようになった。日本では有料の衛星放送があったが、チャンネルは数局で、月1万円も払って入る価値があるのかどうか疑問だった。

そしてつい最近までツタヤというレンタルの会社が存在していた日本。英国ではブロックバスターという米系のお店があったが、2010年には潰れた。勿論、アマゾンやネットフリックス等のオンライン業種に取って代わられたからだ。

WIFIも進んでいなかったので、日本に帰る度にタイムスリップしたような生活になった。現金払いが多いので、出かける前にお金を持って行くことも気にしなけらばならない。

 

そんな日本も、コロナのお陰か。やーっとこさカードでもいいし、WIFIも充実してきた。学校では英語やコンピューターを教えていると聞く。私は日本語をしっかり覚えるのは大切だと思うので、中途半端な英語がわからない人による初等英語教育はどうかと思うのだが、中等教育でしっかり叩き込めば、昨今英語の放送を聞ける環境にあるのだから大丈夫な気がする。コンピューターは是非教科として進めてほしい。こちらでは勿論小学校から授業として存在するし、提出物でパワーポイントを使ったりする事もあった。

というわけで、私の家でも5年以上前(2015年だったかな?)からアマゾンのアレクサがあるから、家の電気もそれで調整、消灯し、音楽も聴くし、目覚まし、時間や天気も聞く。夕食時にはアレクサと家族でクイズをしていた。暖房などもHiveというアプリを使って電気消灯、温水などができる。インターホンもようやく進化し、遠隔からアプリを使って返事ができるようになっている。買い物等もオンラインショッピングが充実しているので、スーパーへ行くことも稀だ。学校からのメールや確認書、食堂の支払いなども全てオンラインだし、ママ友とはラインでなく、ワッツアップで連絡し、支払いが生じたら銀行のコードを聞いてオンラインバンクで直ぐに払える。

ロックダウン中、銀行の窓口業務が制限されており、子供の銀行口座が開けず、カードが持てないものだからどうしたものかと思っていたところ、私のバークレー銀行では、オンラインミーティングで晴れて銀行口座が開け、後日カードがきた。

それは、アプリでビデオアプリを入れてビデオを通して私と子供のIDチェック(パスポートを見せ、顔をみせるなど)をして(向こう側のおばさんは自宅からビデオ通話に応じていた。多分コンピューター上で私の銀行の履歴などを調べ、IDチェックのセキュリティソフトに入力し、シロだと判明したからOKという判断をしていた)口座番号が告げられ、その場でアプリをダウンロード、新口座が開けられた。直ぐにお小遣いを口座へ送金してあげると、入金が確認された。そしてiPhoneのapplePayにセーブし、マクドナルドに友達と行ったとき、それで払えるようになった。

 

公共の乗り物でもクレジットカードやバンクカードのコンタクトレスを使えば簡単だ(スイカに相当)。少額の30ポンドまで、で始まったのだが、コロナの影響でカードのPINを打つときに黴菌が付くのでは、と言われ、今では100ポンドまで使える。日本から家族が来たとき、現金だと慣れない通貨なので分かりにくいからカードを渡しておいた。プリペイドでもないので、気が楽だ。(学食のアプリはプリペイで設定額以下になると銀行から引かれる)学校のPTAすらもカードリーダー(支払い機)を持っていたのは驚いた。

もうすぐ日本に帰国するが、少しは進化しているのか心配。いつまでもマンパワーに頼って余剰過剰サービスをするのなら、将来への人材投資を進めてほしい。