国際結婚をして外国に暮らす人は、別に帰国子女ではなくとも私を含め友達にも何人かいる。

有名人や友達、近所の人でもいるから、と楽に考える人も多いと思う。成り行きでそうなった人が殆どだと思うが、よくよく考えてほしいことがある。これは英国へ来られるかもしれない方へのお知らせである。

 

1.  結婚ビザも大変である

最近ではテストがあり、歴史や言語の知識が無いといけないし、その間就労はできないので相手のそれなりの収入が必要である。ビザ自体も年々値上げされている。

2.  子供ができると離婚が大変である

2013年に日本も批准したシェンゲン協定での共同親権があるので、未成年の子供を連れて出戻り帰国することはできない。手に職がある人や、言語的バリアが無い人はいいが、職業選択が狭い中、子供が成年になるまで帰れないのは結構大変だ。(それでも帰った人や、ここで再婚をした人もいるのだが)

3.  子供は放っておいてもバイリンガルにはならない

言語的センスのある子は両方大丈夫なのだが、ない子もいるので、努力しなければバイリンガルにはなれない。しかも日本語の場合は、読み書き、漢字、敬語は練習しなければできるものではない。あまり日本語に力を入れすぎると、現地語である英語の遅れがでてしまう。両方の親からのプレッシャーを受けるが、理解してもらう必要がある。

4.  老後はどうするのか

配偶者が居る内は良しとして、一人になったとき。ボケたとき。どうしよう。病気になったときはNHS国民健康保険があるので不安は日本より軽いと思うが、助けてくれる他の家族や友達は居るのか?大抵の事は誰かに生前委任状(LastingPower of Attorney)にサインをしてもらってお願いしておくこともできる。最近では英国にも日本人高齢者が増えて、帰国をする余裕も健康も気分も無い人達が、日本人用ケアホームを立ち上げようとしている。英語を忘れたり煩わしく思ったり、日本食を食べたいと思っても老人には大変な事である。

5.  親の死に目に会えないこともある

どんなに急いで帰っても1日はかかるので、さあ、と言ったときに会えないだろうことは親子で理解してから国を出よう。会えなかった人、立ち会うために何か月も帰った人、結局介護の為帰国した人などいろいろだが、配偶者の理解がどれほどのものか、よく話し合った方がいい。もし面倒を見ることができる人が自分だけであれば、高齢者の親を呼び寄せる事はできる。

以上は結論は出なくとも、とりあえず考えてから国を出る事をお勧めする。