海外で人気?日本のアニメ

そう言われて久しいが、本当にそうなの?と思った人も多いのではないだろうか。

ヨーロッパ諸国は自国の番組だけでは少ないので輸入し、吹替を乗せる。だから元が英語であろうが日本語であろうがコストは変わらない。だからほぼ日本と同時期に同じアニメを見ていたりするので驚く。(70年代から普通に名作劇場の「ハイジ」や「ドラえもん」も見ていたりする)その点英国では米国や豪州から同じ英語で入れる事ができるため、日本のモノの需要は低い。しかも日本のモノは、性的描写や殺戮シーンなど、子どもには見せられないモノが多いのだ。

 

確かに過去30年程見ていると、昔はどうやって見るかが大変だったので、かなり少数派であったのは間違いない。例えば、日本で海外ドラマの海賊版など手に入れるルートが限られていたのと同じだ。

80年代の「AKIRA」や「Vampire Hunter D」、「カリオストロの城」を知っている人が稀にいた。その後「千と千尋の神隠しSpirited Away」が賞を取った2000年代からジワリと知られるようになった。その頃景気が上向きになり、EUからの移民が増え、ケーブルやSky(衛星放送)に入会する人が増えた。有料チャンネルでは「Dragon Ball Z」をやっていて、懐かしい気がした。地上波はデジタル化して、一気に5チャンネルから100チャンネル近く増えたので、映画チャンネル等でジブリや、実写の「リング」「デスノート」も登場した。

地上波では「ポケモン」「遊戯王」「カードキャプターさくら」「爆丸」などが紹介され始めた。スーパーでは「ガチャガチャ」マシーンが置かれるようになり、学校ではカードクラブまで設立され、雨の多い英国では昼休み等にちょうどいい遊びになった。その頃、地域の図書館等で日本の漫画(翻訳版)が置かれるようになった。見た範囲だと、「フルーツバスケット」や「ナルト」90年代生まれの英国人は子供の頃から日本というのは地理的に遠いが近く感じていた。それは私などが漫画やアニメでヨーロッパが舞台で日本語で話しているモノを見ていたのと似ているのかもしれない。

 

余談だが、ゲームの世界は80年代から日本からのモノが最先端であったので、ゲーム好きならもう少し年代が上の人達も良く知っている。「Pacman」「マリオ」「ソニック」などその後アニメ化されたりして、オリジナルが日本である事を知らない人も多いのだが。

 

こうして、地上波で少し、衛星でもう少し、そしてビデオ(DVD)でもっと手に入るようになった。経路を見れば分かるように、まだ少数派だと分かる。それに比べ、ディズニーは桁違いの認知度である。

それが一気に増えたのが、インターネットと「ネットフリックス」、そして他のアプリ「クランチロール」「ファニメーション」などで手軽にみられるようになったせいだ。しかも吹替や字幕なども選べる場合もあり、ハードルが下がった。家で「ネットフリックス」や「アマゾン」を見始めた2016年頃、いくら英語でも、日本のアニメを見たくないと言った英国人の友達の息子も、その2年後くらいにはアニメにはまっていると聞いた。

年代も小学校高学年から中高生が中心だ。

 

なぜかというと、私が思うに、小さいころからディズニーを見て、Cbbies(BBCとBabiesを掛けている子供向けチャンネル―デジタル)でアメリカやイギリスのカートゥーン「ペッパピッグ」を見て育った子供は、ディズニープリンセスものや、ドリームワークスの映画が好きだったが、もう少し刺激が欲しくなる年頃に差し掛かると、親が見る映画を一緒に見るようになる。そうなると、俳優などもセッティング等も大人の世界になる。でも子供は、自分に近いものが欲しい。勿論「ハリーポッター」もそのカテゴリーで人気を得たと言える。これは映画になるときに大人の俳優陣をしっかり演技力知名度を備えた俳優にしたのも観客層拡大に良かった。

勿論、刺激のある殆どの映画は推奨年齢12歳以上、殺人シーンがあると15歳とか18歳とかになる(親の判断によるが)。そういった設定をすると、見られるものが少ない。そうなると、そこにフィットしたのが日本のアニメだ。また、その設定を取っても、同じようなものを勧められるから、アニメ漬けになる。

 

というわけで、日本でも「オタク」が少数派の日陰の存在であったのに、一気に日なたへ出てきたように、こちらでも同じ動きがあると言える。

 

今年2022年だが、やはり人気があるのは「進撃の巨人」「鬼滅の刃」「僕のヒーローアカデミア」「ワンピース」「ナルト」「ジョジョの奇妙な冒険」など。ジャンプ強い。。。

こちらでは、コスプレではないが、子どものときから誕生会などではディズニープリンセスのドレスを着たり、学校の資金集めのチャリティーなどでテーマがあり、その服装で通学する日、3月には世界本の日ワールドブックデーがあり、本のキャラクターになって通学、またはハロウィンやクリスマスでは大人もそれ用の服を着て通学、通勤したりする。近年、それが日常化し、参加しない人は少数である。というわけでコスプレに違和感はない。近所の子供たちは「僕のヒーローアカデミア」のコスプレで小学校へ行った。先日のワールドブックデーだ。まあ、そういった衣装は簡単にアマゾンなどで手に入る世の中だ。

私の様な中年世代でアニメを見ている、という人は、昔から見ている人に限られている。しかし、小中学生では普通だし、その親世代には第一次ポケモン世代やもいたりして、日本に旅行へ行きたいと思っている人も多い。
 

というわけで、海外で人気?というのは、英国はかなり遅れをとっているが、今、若い世代では普通に見られていて人気がある。