創業333年(1690年・元禄3年)の山本山総本店。

今でいう茶師・永谷宗円(永谷園創業家の先祖)が発明した焙煎乾燥・煎茶のアイデアに巨費を投じて、宇治茶を東海道を運搬、販売した最古の喫茶店でもある。
これに比べるとCMで盛んに宣伝されている京都の老舗は比べるまでもない。
福井伊右衛門が福寿園を創業したのは1790年(寛政2年)、山本山の100年も後なのだ。
宮中・宮内庁御用達の二条一保堂は1717年創業。だが当初は茶道具店だった。
やむなく茶商専業になったのは遷都で皇室や公家衆が東京に移動されてからのこと。
室町幕府御用の歴史を誇る宇治の上林春松は茶畑の支配人(農園主)で、明治まで自分から茶業に関わらなかった。士農工商の意識で茶商を頭から馬鹿にしていたのが実態。

以前は抹茶・煎茶・和菓子セットの店だったが。
今はかき氷もあり、海苔を使った弁当もだしている。

海苔麺は海苔問屋でもある山本山のプライドを語る逸品だ。

佃煮の江戸紫と焼き海苔。
蕎麦ではなく、細うどんでもない、太めのそうめんが絶品。

煎茶のブレンドを山本山では《合組・ゴウグミ》という。
煎茶の元祖の慣用語なのだから、本来は辞書に載せるべき日本語彙だろう。

その山本山推しメニューが合組・天下一。
飲んでみると一煎(1杯目)は上品な爽やかさ。
二煎(2杯目)は甘さが増し、ほとんど玉露に近い。
三煎(3杯目)は、お代わりをすると味が薄くなる玉露を超えて、玉露の上の玉露という感じ。
煎茶のパワーを見直した。

さて三越に来てみたら。

あ、これって。
ハリー・ポッタースタジオツアーのレストランで
フィッシュ&チップスについていたモルトヴィネガーだね。

691円。
これは送料なしの破格値だ。

楽天市場を検索してみたまえ。

10倍に価格を釣り上げ、さらに国際発送の送料も上載せしている。
これじゃ英国料理は普及しないわけだよ。