
kakkamax※
前々から《耳がかゆい》という小さな悩みがあった。
コロナ対策でマスクが義務付けられる前も、
電車の中の高齢者たちの加齢臭、
喫煙者たちのニコチン体臭、
非モテのヲタクの酔っ払いのゲロのような悪臭、
妙齢女性の厚塗りファンデーションの異臭など、不快な空気をブロックするため、
マスクは外出時のマストアイテムだったが。
そのころ《耳がかゆい》ということは記憶にない。
全身の《かゆみ》ではないから、アトピーや内臓(膵臓)疾患ではないし。
ダニに刺されたわけでもない。
ムヒやAD軟膏など、耳に入るかゆみ止め薬剤情報はみんな試してみたが。
どれも即効性がなく、時間がたっても効いたのか効かないのか、あいまいな感じである。
熱湯で蒸しタオルをつくり、ベタベタの軟膏を拭き取って耳を洗いこすると《かゆみ》は適当におさまる。
これがコツなのかと思ったが。
自分の体で人体実験してみようと決意した。
まず軟膏の類を止め、朝に熱湯蒸しタオルで耳を洗ってみた。
タオルは必須だ。
指でひっかくと、アトピーのように皮膚を傷つけ、炎症がひどくなるのは、カフェイン中毒で膵臓機能が低下したときに経験した。
これは漢方薬で治癒できたが。
すると一時的だが、午前中の《かゆみ》は防ぐことができた。
しかし、夕方になり、買い物に行こうかという段階で、またもや猛烈に《耳がかゆい》とぶり返してしまった。
スーパーの入り口である。
熱湯蒸しタオルなんか売っていない。
コンビニのカップ麺用の熱湯をもらって、タオルハンカチで何とかするか。
そんなことを悩みながら、手指消毒用アルコールを手にかけた。
スースーする。
そこでハッとして、もう一度たっぷりアルコールで濡らした手指で耳を拭いてみた。
人間、あきらめたら進歩はないものだ。
何とかしたいと足掻き藻掻き、悩みに悩んで、偶然のブレイクスルーが見つかる。
これまでの成功体験からも言えることだ。
なるほどアルコール除菌が《耳のかゆみ》の特効薬だということはわかった。
ではなぜ、メントールではなく、アルコールで《かゆみ》は止まるのか。
耳に有害菌がついているのか。
消毒用アルコールを持ち歩くわけにいかない。
第一、アルコールの匂いを自分からまき散らすわけにもいくまい。
そこで除菌アルコール・フェイスシートを買って試してみたら。
これがまた偶然の大当たり。
フェイスシートのアルコールも《耳のかゆみ》を抑制できた。
さて《かゆみ》の原因は。
シートに黒ズミができていた。
黄色い耳垢ではない、黒い粉なのだ。
それで正体がわかった。
大気の中のPM2.5(極小の粉塵)だ。
これが耳の外耳郭に当たり、耳介の毛穴に入り込む。
NOx・硝酸塩や硫黄化合物・硫酸塩が混じっていたりするから、毛穴に蓄積すると《かゆみ》を引き起こす。
目のかゆみの原因物質でもある。
軟膏が効き目がないのはそのためだ。
原因物質を除去しないで、皮膚感覚を操作しても無意味なのだ。
熱湯やアルコールが効いたのは、刺激で毛穴が拡張して、原因物質の一部が除去されたからだろう。
新薬は不要だ。
エリエールさん、皮膚科の研究機関のみなさん。
もし全人類の小さな悩み《耳のかゆみ》で論文を発表するチャンスがあったら、
発見者の私を無視しないようにお願いしますよ(笑)