
大きな企業組織では成功した海外子会社の社長、業績抜群な部門の代表が経営後継者となる実例が多い。
その点、ホテル事業をバリバリ発展させた実績と、拠点人事(支配人)の人選配置も優秀な部下を抜擢してきた高野由美子さんは、まさに実力派経営者と言っていい。
吉田謙次社長は未来ビジョン型の経営者だと思うが、事業に深く精通していて、実は人事配置の経験は少ない。
高野由美子会長はディズニーストア部門撤退の当事者でもあり、大きな事業失敗も経験している。
そして浦安地区から遠く離れた沖縄瀬良垣島のホテル事業も成功させた。
彼女が任命した部下・後輩たちがミリアルリゾート事業を発展させたのだ。
オリエンタルランドのパーク運営事業も同じようなリーダーシップを要請している。
もう一つは彼女がオリエンタルランド経営の各部門の後継者グループを抜擢し、トップマネージャーとして育成するというミッションである。
フォードのリー・アイアコッカ、GEのジャック・ウェルチのように、本人は偉大な名経営者だったが、後継者の選任に失敗して企業がひっくり返ったケースは多い。
ディズニー会長のボブ・アイガー氏も、ファンや株主の評価が低かったチャペックを後継者にして大失敗したばかりだ。
アメリカのディズニーはピクサー合併で息を吹き返したが、立役者のジョン・ラセターさんのセクハラ問題でつまずいた。
また社内の過激な政治運動をセーブできず、コロナ対策まで協調していたフロリダ州当局と決定的な紛争になってしまった。
高野さんにはこのような破綻問題人事の危険性はないだろうが。
サンヨー、シャープ、東芝、名だたる名門企業いずれも経営トップの誤断で倒産危機に直面してしまったことは教訓としていただきたい。


