人が集うという点で、夢と元気を与えているオリエンタルランド会長兼CEOの加賀見俊夫さん、新年度のスタンスを聞かせてください。 

 加賀見 コロナ禍の3年間で、123日間休園しました。これほど長期の休園は営業を開始してから初めての体験で社員一同、非常に気が引き締まりました。
このままでは会社が潰れてしまうと。
そこで全社員が一丸となって新しい仕事の仕方を研究し、お陰様でスピード感を持って対応できています。 

それだけ東京ディズニーランド(TDL)と東京ディズニーシー(TDS)に行きたいと思う人が多いと。 

 加賀見 
ええ。われわれもお客様である「ゲスト」の期待に応えなければなりません。
常に進化していかなければならないのです。
ウォルト・ディズニーの言葉の通り「ディズニーランドは永遠に完成しない」と。
だから厳しくても常に投資していかなくてはいけないと思っています。 


 東京ディズニーランドの開業が1983年ですから、23年は40周年ですね。 

 加賀見 
はい。
私どもは大きなサイクルで言うと、約20年ごとに新しい大規模開発を行っています。
TDL開園の20年後にTDSがオープン。
さらにその20年後に先ほど申し上げたTDSの新エリアができると。 

 今後の投資には前向きに取り組んでいくわけですか。 

 加賀見 
感動を創出するためには進化を止めないことが不可欠であり、これからも続けていく予定です。
ゲストの期待を超える「新たな体験価値」を提供し続けなければいけません。
さらなる進化を目指すためにも、経理の考え方もシビアにしていかなくてはなりません。 


 加賀見さんは、かねてよりオンリーワンのテーマパークづくりを信条にしてきましたね。
23年の抱負は何ですか。 

 加賀見 
これまでの3年間は相当厳しい環境に置かれましたが、それでもそれを跳ね返すだけのパワーをわれわれも企業として持っています。
ですから、まさに世界でオンリーワンのテーマパークを目指して、これからもその考え方を維持していきたいと思っています。 
 そして困難な時期も、その精神を失うことなく前向きにやっていく。
コロナ禍でも社内は非常に明るい雰囲気でやってきましたからね。