私は中学生の時に軽井沢でジョン・レノンさんとオノ・ヨーコさん実際に出会い、その後、突然の射殺事件にショックを受けた最後のビート世代である。
だからビートルズ解散の原因について、これまでも個人的に考察してきたが。
このたび公開された映画《Get Back》を見てその原因がハッキリわかった。

結論として、この映画《Let It Be》撮影がグループ解散の原因になったのだ。

1) 第一の衝撃、マネージャーの死

初期のビートルズは同性愛・少年愛嗜好があったマーネジャー、ブライアン・エプスタインのイメージ通りのファッションをしていた。
ビートルズは港町のつっぱりロックバンドの野性を中性的なシャネル・ブレザーに隠した。
それが女性たちを熱狂させた。

女性たちは「男尊女卑を押し付ける男たち」に飽き飽きしていたのだ。
ファーストアルバム≪プリーズ・プリーズ・ミー≫のLPジャケットでリンゴ・スターはまだリーゼント髪のままである。
このアルバムが大ヒットした翌月、1963年4月にジョンさんはエプスタインに誘われ、二人きりでスペイン旅行に行き、そこで彼の性愛嗜好を知った。
フレディ・マーキュリーが隠し続けたように、イギリスでは同性愛はスキャンダルだった。
しかし、ジョンさんはかつて娼婦や男娼が顧客の≪赤い窓≫ハンブルク繁華街のビアホールでロック演奏していたバンドマン。
マネージャーの奇癖は黙認してビートルズは活動を続けた。

しかしポールやジョージはハッキリとエプスタインの意思を拒絶するようになり、
世界ツアーが終了するとジョージの誘いでメンバーはインド旅行することに。
エプスタインの頭痛薬多量服用は自殺ではないと否定されているが、メンバーの拒否と同性愛スキャンダルの暴露に追い詰められ、相当なうつ症状だったはずだ。

彼の葬儀にはジョージが花一本を届けて添えただけ。
メンバーはみんな関わらなかった。
そこに真相の深刻さがあるかもしれない。

彼の新作伝記映画はこの複雑な内幕をどう描くのだろうか。