2020年はひどい年だった。
世界中がコロナ感染数に戦慄し、日常生活と経済活動も破壊された。
去年までは「さあ新エリアができるぞ」と、
4月15日の開園記念日を待ち望んでいたのに。
ついに開園セレモニーは休園のまま過ぎた。
しかし、希望はあった。
ティンカーベルは休園中の東京ディズニーのシンデレラ城に舞い降りていたのだ。

それは東日本大震災の後、1ヶ月の休園を経て再開したとき、
ディズニーで販売されたチャリティー・リストバンドのこと。
そこには
「WE ARE ONE」
「心はひとつ」と書かれていた。
当時は「もう少し工夫したデザインにしないと売れないだろう」と私はアベノマスクみたいものだと批判的だった。
その通り、売れないリストバンドは廃棄処分になり、オリエンタルランドには損失だけが発生した。
「もっと売れるデザインにすれば、被災地への寄付額も増えたのに」という私の反対論は客観的に正しかったが。
しかし、あの面白くも何ともないリストバンドが
今ではトラウマのように懐かしく恋しいのだ。
なぜだろう?
苦しい日々の記念品だからだ。













