ハンバーガーチェーンの「バーガーキング」が5月中に大量閉店することが明らかになった。
閉店する店舗数22店は、実に現在運営している店舗の2割強に及ぶ。

同社公式サイトの店舗紹介ページに記された閉店のお知らせに、バーキンファンは阿鼻叫喚のツイートを連発。
いったい何が起きているのか。


◆「俺はどこでワッパーを食べればいいんだ」

公式サイトの店舗紹介ページにズラリと並んだ閉店する店舗の情報。
現在、国内にある99店舗のうち、22店舗を5月中に閉店する予定だという。

閉店店舗数は都府県別に、茨城(3)、埼玉(2)、千葉(3)、東京(5)、神奈川(2)、岐阜(1)、京都(1)、大阪(4)、兵庫(1)の計22店舗。

京都と茨城からは完全に消滅。
6店舗ある大阪は3分の1に激減することになる。
特に大阪の日本橋、心斎橋アメリカ村からの撤退は衝撃的だ。
そんなに売れなかったのか?
やりかたが悪かったのか?
2007年にロッテリアが既存店を改装して展開してきたが、2014年のマクドナルド・ショックを売上拡大、顧客獲得のチャンスに生かせず。
2017年になると、文在寅のろうそく革命で韓国のロッテ財閥が危機に陥った。

その結果、ロッテリアは、2017年10月に香港の投資ファンド「アフィニティ・エクイティ・パートナーズ」に運営権を譲渡。
同社が日本法人「ビーケージャパンホールディングス」を設立、日本のチェーン経営を指導していた。
しかし、時はすでに遅く、バーガーキングに飛びついていた顧客は、私のように[いきなりステーキ]や[シェイクシャック]などのグルメバーガー、特にアンガス熟成肉を使った業態にシフト。
私もあれだけ好きだったバーガーキングに行かなくなった。
バーガーキングはアメリカの大学の学食には必ずあるブランドで、キャンパスのあちこちにあるくらい。
いわば、丸亀製麺みたいなうどん屋みたいなもの。
でも、日本のワッパーはなぜか美味しくなかった。
だからアメリカ人も、日本のバーガーキングには足を運ばない。

2018年にはマクドナルドが完全に復活。
夜メニューでプラス100円でビッグマックのパティ2倍4枚に増やす[倍メニュー]を開始。
これで元マクドナルド信者はもどってきた。
いま夕方になると、マクドナルド各店はどこも行列している。
客たちが吸引され、リピートをくりかえしているのだ。
すると店舗数で劣るバーガーキングにメリットはない。

官報によると、2017年12月期のビーケージャパンHDの業績は2億5,106万円の純損失を計上。
直近の2018年12月期の業績は、まだ官報に掲載されていない。

今年2月には、ビーケージャパンHD設立時から社長を務めてきたジョン・キム氏が退任。
同社とバーガーキングコリアで最高財務責任者(CFO)を務めるダニエル・リー氏が社長に就任したと発表した矢先だ。
彼は中国経済の危機に怯える香港本部の指示で、コストカットを断行したのだろう。

私個人が思うに、最近のバーガーキングはやたら期間限定の新製品を乱発宣伝し、メニューが複雑になり過ぎた。
メニューが複雑になると、運営もリスキーになり、注文ミスや売れ残りが増える。

フレッシュネス・バーガーのように、トッピングやスペシャルソースを増やすだけでいいのに、いろいろなアイデア・バーガーをくりだした。
これが致命的な戦略ミスだった。

新製品を出すより、肉質を上げるとか、パティを8%(笑)増量するとか、
バンズを全粒粉にするとか。
チーズを厚くしたり、ゴルゴンゾーラをませるとか。
ハンバーガー屋として基本的に考えるべきことをやらなかったのは痛い。

宣伝のチラシを印刷するより、店頭でリピートを増やす、目を見張る改善が必要だったのだ。
丸亀製麺みたいに、トッピング・メニューだけで勝負してみろ、と呼びかけたい。