ディズニーの世界は、魅力的なキャラクターであふれている。ミッキーやミニー、ドナルドだけでなく、個性豊かな人間たちもいっぱいだ。
好奇心旺盛なアリエルに優雅なエルサ、ずる賢いフック船長に心優しいアラジン……ああ、みんな本物の人間になってこの世に出現してくれないかしらん?



そんな私たちの願いを、ちょっとだけ叶えてくれたアーティストがいる。
ディズニーのキャラクターたちを「リアルな人間」としてイラストに描いているのだが、どれも「そうそう、実在したらこんな感じ!」と叫びたくなるほどの迫力ある出来栄えなのだ。

これらのイラストを発表したのはフィンランド人アーティストであるイルカ・ヴァータイネンさん(28)。
彼のイラストは様々なメディアに取り上げられては、注目を集めてきた。



例えば『リトル・マーメイド』のアリエルを見れば、その美しさに思わずため息。
王子エリックを想っているのだろうか。顔に浮かんだ繊細で切なげな表情に心をギュッとつかまれる。



一方の『美女と野獣』に登場するベルは聡明そうな顔立ちで、もの言いたげな目で何かを見つめている。開きかけた口はなにを話そうとしているのか? 
実写版の映画でベルを演じたエマ・ワトソンさんとは違った魅力がある。






他にも、ツンと上を向いた鼻がお茶目なティンカーベル、目尻のシワが渋いフック船長……などヴァータイネンさんのウェブサイトでは、それぞれのキャラクターの特徴をしっかり捉えながらも、独特な魅力が感じられるイラストに出会うことができる。

2011年からこれらのイラストを描いてきたと話すヴァータイネンさんは、メディア『boredpanda』に対して「映画では、キャラクターたちの顔の細かな特徴を捉えることはできません。だからそのキャラクターの人となりから想像して描いていくんです」と語っている。


ヴァータイネンさんのイラストは、ただディズニーのキャラクターがリアルに描かれているだけではない。
彼らが漂わせる雰囲気、たたえる表情が何かを訴えかけてきて、ディズニー作品を見たときとはまた違った気持ちにさせられるのだ。

現在もヴァータイネンさんは、ディズニー・ヴィランズ(悪者たち)や脇役キャラクターのイラストを手がけている途中だという。
新たなイラストが発表されるのを楽しみに待ちつつ、これまでの作品をジックリと見ていってほしい。
きっと心奪われるはずだから。

Illustrations:Jirka Vinse Jonatan Väätäinen,
Instagram@jirkavinse

執筆:小千谷サチ
《ロケットニュース21》