タラバガニ 相棒14 最終話の余談 | == 肖蟲軒雑記 ==

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ツボに籠もっているタコが、「知っていても知らなくてもどっちでも良いけど、どちからというと知っていてもしょうもないこと」を書き散らすブログです

 北海道に左遷かと言われていた冠城に対して、米沢守は「カニを送って下さい。ただし、タラバガニはカニではなくてヤドカリ」と言う。

 冠城はそのことを知らなかったようだが、遺伝子解析の結果から見て、確かにタラバガニはカニよりもヤドカリに近い、というのは事実である。




 その一方、いろいろなサイトを見ると、「タラバガニはヤドカリの仲間、なぜなら脚が(獲物を捕食する時につかう鋏脚も含めて)4対」という説明が散見される。しかし、これは間違い。五番目の脚も目立たないながら、ちゃんと腹部についているのだ。


たとえばこのサイト

 ヤドカリの場合もそうである。貝殻に入っている様子をみると、大きな鋏脚以外に左右2対の歩脚しか見えないが、実は殻の中に第四脚と第五脚がある。どれも、節足動物門の十脚目に属する仲間なのである。

 

こちらのサイト では、少し判りにくいことを特徴として挙げている。これはこれで正しいのだが…


 

 遙か昔、
学生時代に動物分類を習ったときのことを思い出すと、ヤドカリ類とカニやエビ類には、外見で決定的に異なる部分がある。

 彼らの一番前にある脚。多くの場合、ハサミの形をしているが、私たちが道具として使うハサミとは決定的に違う。道具のハサミが支点を中心にどちらの刃も等しく動くのに対して、彼らのハサミは動く方の側とそうでない側に別れる。




上の図にも示すように、動く側を可動肢、そうでない側を不動肢と呼ぶ。この位置関係が決定的に異なるのだ。

 ヤドカリ類は、左のように、体の内側に可動肢があるのだが、エビやカニは右のように外側が動く。ちなみに、いずれの生物も鋏脚は左右で大きさが異なるのだが、ここでは簡単のため同じ大きさで示した。

 

 で、タラバガニである。

 

実は私、エビカニ類のアレルギーなので、大きなカニはほとんど食べたことがない。特に茹でたときの蒸気は吸っただけで気分が悪くなるし、生のエビの殻を剝いたときに、殻で指先を切ったのか、そこからアレルゲンが入り、手首から肘、肩、と言う具合に血流に沿って腫れていくことを経験している。



 そんなわけで、生のタラバガニをまじまじと見たことはないのだ。函館(だったかの)海鮮市場で見たときの記憶を呼び覚ますと、多分左のような造りだった、とは思うのだが…

 

この記事をお読みの方、次にタラバガニを食するときには、味を堪能するまえに少しだけ観察して、私の話が正しいかどうか、是非とも見極めて頂きたく、お願いする次第である。