共同書店という形 | あたま出版ブログ 禿頭席(とくとうせき)

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仏文学者プロデュース 愛書家が集う共同書店 東京・神保町

世界一の本の街ともいわれる東京・神田神保町。老舗古書店が多く軒を連ねる中、異国情緒漂う瀟洒(しょうしゃ)な内装が、読書家を誘い込む小さな書店がある。

昨年3月に開店したその書店は、パリ市街地に点在するアーケード商店街「パサージュ」からその名を取った「PASSAGE by ALL REVIEWS」。

店の本棚を借り誰でも自身の蔵書を販売できる共同書店の仕組みをとり、本を通じた出会いが〝交差〟する空間となっている。






作家のメモ書きや付箋も


共同書店が一般の書店と違う点は、店の本棚を個人が借り、それぞれ思いのままに好みの書籍を売ることができること。出品する棚主一人一人が、書店主になって「至極の推し本」を店頭に置けるのだ。
約20坪の店内には362区画の棚が設けられ、一つ一つに棚主の紹介文が添えてある。並ぶ書籍は新刊から古本まで、ジャンルも多彩。蔵書は5千冊に上る。棚主は編集者や書店員のほか、近くの露料理店や大学の学生グループ、香港や仏などの海外在住者もいて、その広がりに驚く。鹿島氏をはじめ俵万智氏(歌人)▽内田樹氏(思想家)▽中江有里氏(文筆家)▽柴田元幸氏(米文学者)-と、有名作家や著名な学者の棚も多く見受けられる。


書籍には棚主の推薦文が挟んであったり、古本のメモ書きや付箋もそのままであったり、読んだ痕跡を残している。

同書店では、月1回の棚主同士の交流会も催している。棚は月額5500円から借りることができる。棚主の定着率も高く、希望者も後を絶たない。


 

近年、大型書店が相次いで閉店する一方、小さな書店がオープンしているようです。中にはこの記事のように棚を貸して出して借り主が自由に本を販売する共同書店もあちこちで誕生しています。

お客さんはもちろん、借り主である一種の共同経営者も楽しむことが出来る空間だと思います。

本好きにとって、まさしくサロンとなるでしょう。