「あえて選挙に行かないこと」と「冷笑」
むかし政治の話をしたら「立候補すればいいやん」「政治家になればいいじゃないですかぁ」
と笑いながら言われたことがある。
周りにいた人達もうんうんと笑いながらうなずく。
「選挙に行こう!」と言うと「なんでそんなこと言うの」と言われたことがある。
「虚しい」。
当てはめるとしたらこの言葉だ。
世界を見回せば頷ける。
独裁者は選挙を嫌う。
既得権益者は選挙を嫌う。
独裁者や既得権益者はそのことを理解している。
自分に旨味がなくなることをとても恐れている。
大正デモクラシーで庶民が立ち上がろうとしたとき時の政府は庶民の自由をつぶしてきた。
関東大震災を利用して朝鮮人を虐殺し、その2年後に庶民の行動や発言を取り締まる治安維持法を作った。
女性が意見を言い出すと庶民が平和に目覚めてしまうので、女性の選挙権はずっとないままだった。
明治憲法(大日本帝国憲法)の下では庶民に自由はなかった。
国家総動員法(国家の全ての人的・物的資源を政府が統制運用できる旨を規定したもの)なんていう法律も簡単にできてしまう。
建物疎開と言う名で住んでる家を壊されたり、国が庶民から鍋や釜を回収しにくる、赤紙(召集令状)が来たら絶対に断れない。
国が主体とは人間の自由は二の次になる。
国民の自由が一番大事という今の日本は、現日本国憲法に守られている(国民主権)。
個人が夢をもって自由にやりたいことができる社会。
そう……
人は政治の中で生きている。
人は法律の中で生きている。
日本を取り戻すと言ったあの妖怪の孫が取り戻したい日本は明治大正昭和初期の頃の体制だ。
庶民に人権がなく常に監視されている国。
その考えが今の総理大臣や現都知事が受け継ごうとしている。
国家総動員法のような法律をもう一度作れる国にしたい、それは緊急事態条項という名前で生まれ変わらそうとしている。
今の憲法を変えて国民主権ではない国をもう一度つくりたい、これが現政府自民党の夢だ。
任意だったはずのマイナンバーカードの強制、裏金や経歴詐称にメスを入れないメディア。
約束が違うことを怒ったり、犯罪を見過ごすことにおかしいと声を上げるのは、いたって普通で当たり前のことではないのか。
「政治家は信用できない」「選挙に行っても変わらない」「批判からは何も生まれない」こんな誰かから借用した言葉を使って、いつまで冷笑を繰り返すのか。
あえて選挙に行かないことと冷笑は同じことだと思っている。
眠ってる良心を今。