E124 「終わらない季節」はあの人のリスペクト
バラードが欲しい。
アルバムの最後はバラードでしめたい。
「WINDING ROAD」があったんだけど、ファーストアルバムは誰が言いだしたか全部新曲で行くと決めていた。
誰が決めたんだろう?きっと誰かが提案して僕が決めたんだと思う、チャレンジしてみようって。
そうファーストアルバム「名前のついていない場所へ」はデビュー前にあたためてきた曲が一曲もない。
今思えばデビューアルバムにしてはとても珍しいことだと思う。
チャレンジしたい!っていう気持ちがとても強かった、これから作る曲に自信があった、根拠のない自信だ(笑)。
「終わらない季節」はバラード、ピアノだけで始まりだんだんとバンドが重なってくる。
シンセストリングが入った時は驚いた、この音を想像してなかったから。
リズムレックをしたときいつ終わるかわからなかった。
頃合いのいいところで終わるという意味でX timeと口頭で伝えていた。
演奏が始まってアウトロになったが気持ちが入ってなかなか終わらない。
A/E/F#m/Dの回転を何度もリフレインする。
これはレットイットビー(C/G/Am/F)と同じコード進行でいつまでも演奏していられる魔法のようなコード転回。
あまりにものコード転回なのであえて使わない作曲家もいる、僕はあえて使った、だってテーマに沿ってて最高だったから。
ダビングでギターのケニーがソロを回す、あまりにも素晴らしすぎてコントロールルームにいる人たちは全員立ち上がった、スタンディングオベーションだ。
人生でこんなに感動的なギターソロはない、と言い切れるくらいのギターソロ。
そしてベースラインが素晴らしい、マイケルローズがあえてルートに行かず泣けるフレーズを弾く。
そのメロディーはポールマッカートニーのベースみたいに歌えてしまう、というか歌いなくなってくる。
本当に素晴らしいベースライン。
写真はベースのマイケルローズ。
本当に残念なんだけど、亡くなってしまった。