109 川崎の3畳の部屋で〜デモテープ作り | 柿島伸次オフィシャルブログ powered by Ameba

109 川崎の3畳の部屋で〜デモテープ作り

このころは横浜から川崎へ引っ越していた、駅から歩いて5分くらいのところ。

電車一本で渋谷までいける駅で今考えると夢のようだ。

 

横浜に住んでいる時、オールナイトニッポンの生放送帰り、タクシーの運転手さんから「柿島さんももうすぐで東京人ですねー、この番組やってる人はみーんなこの川をこえてきましたよー、〇〇さんも〇〇さんもー、わーははは!」

この川とは多摩川、多摩川を界に東京と神奈川に別れる。

 

人生に一度東京に住もうと思ったこともあったけど家賃(駐車場含め)が高くて諦めた。

川一つ挟むだけでなんでこんなに家賃がちがうのか、川崎は東京の隣、だから仕事に行くにはとても便利だった。

 

部屋は一つ増えたが録音機材が置いてある部屋は3畳になった。

ピアノを置いて、MTR置いて、ギターを置いて、マイクを置いて、もうパンパンギュウギュウだ。

アルバム「太陽の鼓動」はこのパンパンギュウギュウの部屋でデモテープを作った。

 

当時アレンジをお願いしてた西本明さんに家まで来てもらい、細かいフレーズなどの打ち合わせをした。

ちっちゃなヤマハのドラムマシンを笑顔で軽快に打ち込んでる動画が残っていた、若い(笑)!

 

西本さんが打ち込んでいた曲は「ふんばってみるか」。

「なんだか毎日がこんごらがっちゃって、わかんなくなっちゃって、でもどうしかしなくちゃ、逃げちゃおうか、いやふんばってみるか」という歌。

ドラムの打ち込みのウマさに驚いた、アレンジャーってなんでもできるんだなぁーって。

 

アレンジリハ終わりで結婚を約束している彼女と三人で飲みながらご飯を食べた。

このマンションは駅から近いこともあっていろんな人が来てくれた、電車で一本だし。

 

バンドメンバーも来てくれたことがある。

「Rolling DOWN HOME ツアー」のライブをビデオを2時間丸々観たり、ワイン飲んだり、楽しかったな。

 

ある程度曲の形ができたらスタジオに入ってライブのように歌ってみる。

三宿にある小さなスタジオでカセットで録音、家に帰って聴いてみる。

この作業は孤独だが、ここの過程が一番大事な気もする、ここで大事なのは想像力だ、聴いてくれてる人の顔を思い浮かべる。

 

このアルバムはもっともっと内面を吐露して行こう、正直に正直に、そう思いながら作っていた、3畳の部屋で。