103 3rdシングルの話〜「TVの向うで」から「たった一人の俺」〜 | 柿島伸次オフィシャルブログ powered by Ameba

103 3rdシングルの話〜「TVの向うで」から「たった一人の俺」〜

アルバム「Rolling DOWN HOME」は本当に自信作だった。

シングルもこのアルバムから「たった一人の俺」が発売された。

この曲をたくさんの人に聴いてもらいたい、そんな思いでいっぱいだった。

 

このアルバムからシングルカットすることになった。

 

裏話をすると最初シングルは「TVの向うで」だった。

僕以外のスタッフが「TVの向うで」がいいと言ってくれてて、ジャケットまでできていたのだ。

 

「TVの向うで」をシングルにしようと思うんだけど」とスタッフに相談されたとき、僕は断ってしまったのだ。

なんていうんだろう?社会的な責任を負わなければいけなくなるんじゃないかと尻込みしてしまったのだ。

 

それよりも「これだ!」という自分を歌った歌が良いとその時は思ったのだ。

まずは「たった一人の俺」をと思ったのだ。

社会的メッセージはそれからだと思ったのだ。

 

意見なのか、わがままなのか。

 

今考えればスタッフの方達の判断は素晴らしかった。

社会的なメッセージソングを選んでくれたスッタフに今は感謝しかない。

スタッフは今この時代を見据えていたのか?

もしあの時「TVの向うで」がシングルになっていたら……。

 

あれから社会に何か起こると、起こりそうになると、記録もかねて歌にするようになった。

そうしたいし、そうするべきだと思った。

そしてそれが自分のソングライティングスタイルの一つになった。

 

自分を包んでるものは社会なんだと気付いたのは、恥ずかしながら43歳を過ぎてからだ。