100 Thank you 君がいるから
95年3月からRolling DOWN HOMEツアーが始まった。
キーボード 柴田敏文
ドラム 野口明彦
ベース 高橋教之
ギター 鎌田ジョージ
ボーカル 柿島伸次
この5人で福岡ビブレホール、名古屋クラブクワトロ、大阪ミューズホール、札幌ペニーレーン24、東京新宿日清パワーステーションを回った。
ナッシュビルで200ドルで買った72年製のテレキャスターとタカミネオリジナルギターでステージに立つ。
力がみるみると湧き上がってきてアイディアもたくさん出てきた。
歌うことがこんなに楽しいなんて、自分でもビックリだ。
バンドの中でのギターの演奏が楽しくてしかたない、ギターフレーズがちゃんとアレンジに組み込まれてる。
ギターが生かされているアレンジに心が踊った、音が積み重なってくのではなく、折り重なっていくアレンジ。
アレンジに興味が湧いたのもこの時期だ、音が絡み合って折り重なるって面白い、今まで以上に音楽が大好きになった。
短い期間にたくさんの街に行き、たくさんの人に会った。
ラジオもやらせてもらって、音楽以外でのふれあいも知った。
みんな真剣なんだ。
ツアーはどの街もあたたかくむかえてくれた、1月にあんなに大変なことがあったのに。
このライブでどうしても歌いたい歌があった、できたばかりの新曲「君がいるから」だ。
ナッシュビルのレコーディングでは「Thank you」というタイトルでミュージシャンに説明してた。
本当に自分一人じゃやっていけない、君がいるから歌えるんだ。
落ち込んだ時も、折れそうな時も、君がいるから生きれるんだ。
イントロのピアノのフレーズは「会いたい、会えるね、会えたね、元気だった?僕も元気だよ!いつもありがとう!」という想いで一小節ごと上がっていく。
イントロだけじゃなかった、インターもアウトロも全部同じフレーズだ、リフレインするたび気持ちが熱くなっていく。
本当に色々あったけど今もこうしてやれてるのは君がいるからだ。
間違いなく君がいるから今日もこうして音楽をやっていられる。
これを書いてる数日後に新横浜で「アルバムRolling DOWN HOME再現ライブ」がある。
ここで「君がいるから」を歌えるんだ、とてもとても幸せだ。
ありきたりの言葉だけど めぐり逢えた言葉だから 心のそこから伝えたい
名前も知らない君だけど 顔も見えない君だけど 今誰よりもそばにいて欲しい
たとえ遠く離れてても きっといつかまた会いたい 歌い続けるよ 君がいるから

