80 ロスレコーディング終了 日々精進
ロサンゼルスでは歌入れはしない、ナッシュビルで全曲とってから一気にナッシュビルで歌入れをすることになってた。
アルバムには12曲入っているが実際には14曲録った、今考えてみれば短期間で一気に14曲歌うってイイ。
ロスのリズム録りも全て終わり、ダビングを少しだけ残すだけになった。
「いつか夏の日に」のベースダビングでリー・スクラーがやってきた。
やってきたと書いたの何かがやってきた感があるからだ。
なんていうんだろ?仙人みたいなのだ、口数が少なく存在感がメチャクチャある。
長く伸ばしたヒゲが弦にちょっとかかってるが気にしないで弾く。
リー・スクラーだけはブースに入らず、コントロールルームのドアを開けたすぐのところに座って弾いてたのでそれがよくわかった。
裏でメロディを弾いてるのだ、ベースラインが一つの曲みたいになってる。
だけど音は薄くならず太いままサウンドを支えてる、なによりも音質がいい、どうやったらこんなにイイ音がでるんだろう。
ちなみにリー・スクラーはジャクソンブラウンの「Ruuning On Empty」を弾いてる。
名残惜しいがロスのミュージシャン達とお別れの時がきた。
どのミュージシャンも演奏が凄かった、そして佐橋さんの的確な指示やプレイ。
凄すぎる毎日に圧倒されて、正直地に足がついてない時間も多かったと思う。
アウトプットしにきているのにインプットだらけで頭が破裂しそうだった。
「TVの向うで」で仮歌が歌えなかったこと、「たった一人の俺」でギターが弾けなかったこと。
せっかくのチャンス、ここにくる前にもっといろんなことを知っておけば、やっておけば、なんて思ってみてもしょうがない。
知らなかったことは今から知っていけばいい、出来なかったことは練習して出来るようにしよう。
そんなことをナッシュビルに向かう飛行機の中で自分に話しかけていた。
次は大好きなナッシュビルだ、ケーシーが待ってる。
左からエンジニアの中ちゃん、ドラムのカート・ヴィスケラ、ピアノオルガンのクレイグ・ダーギー、僕、ベースのボブ・グロウブ、ピアノの柴田さん、ギターのワディ・ワクテル、ギターサウンドプロデュースの佐橋さん。
左からコーラスのダニー・ジェラルド、タグヘイウッド、ローラ・クリーマー、僕、ローズ・マリー・バトラー。
ストリングス、一番右がデビット・キャンベル
ベース 仙人と言われているリー・スクラー