79 オールナイト最終回 雨の中「いまここから」 | 柿島伸次オフィシャルブログ powered by Ameba

79 オールナイト最終回 雨の中「いまここから」

大好きだったオールナイトニッポンは半年間やった。

毎週有楽町のニッポン放送にリュウさんと通った。

 

ひとつだけこだわりがあった、それは生放送でやることだった、録音はどんなに忙しくてもやらなかった。

4:45分から夜明け前ライブと称してニッポン放送玄関前で路上ライブをやっていたのだ。

 

半年だから24曲歌ったと思う、いろんな歌をギター一本で歌った、自分の歌だったりハガキでリクエストもらったり。

ブルーハーツの「TRAIN TRAIN」も歌ったなぁ、いい歌だなぁと思ったから覚えている。

 

最初は3.4人だったオーディエンスも番組が進むにつれてたくさん来てくれるようになった。

それは回を重ねていくうちに「また来週ここで会おうね!」って約束に変わっていった。

だから絶対に生放送でやっていた、生放送じゃなきゃダメだった。

 

金曜だったから仕事も学校もあるだろうに、みんな眠いだろうに、疲れているだろうに、終電で有楽町まで来て玄関前で待っててくれた。

寒い夜明け前の小さなライブ会場はそんなオーディエンスのおかげでいつもあったかかった。

だからいつもあったかい最高の気持ちで歌えた、29年前の話だが今一度この場をかりてありがとうって言いたい。

 

94.4.2最終回の日は雨だった、暦上は春なのに冷たい雨が降っていた。

 

最後のスタジオに入ってマイクの前に座る、この細いマイクでしゃべるのが最後かと思ったら感慨深くなった。

八戸を「やと」と読んだり狭山市を「せまやまし」と読んでリスナーから漢和辞典をプレゼントされたこともあったなぁとか。

ガゼラブミラビもなんとも言えない味だったなぁとか。

そういえばガソリンと称してビールを飲みながらやったこと一回だけあったなぁとか、思い出はつきない。

 

全国からお別れを言いにたくさんのオーディエンスが集まってきてくれた。

この情報を放送中に聞いてた、みんなで雨と寒さの心配をしていた。

なんとニッポン放送スタッフの方々がオーディエンスの待合室として銀河スタジオを解開放してくれたのだ。

これは本当にありがたかった、安心して放送を続けられた。

 

そして最後の夜明け前ライブ、ギターを持って玄関にむかったらエレベーター降りたところで歓声が聞こえてきた。

想像以上にたくさん集まってくれてビックリした、そしてあったかい拍手で迎えてくれた。

僕も半年間一緒にやってきたスタッフも胸がいっぱいになった。

短かったけどこんなに濃い半年間はなかった。

 

最終回のために「いまここから」はとっておいた、この歌はファーストアルバムの1曲目の大切な歌。

番組でリクエストをもらうたび何度も歌いたくなったけどこの日のために取っておいた。

さよならの歌とかじゃなく、卒業の歌とかでもなく、はじまりの歌で終わろうと思ってたから。

 

そしてギターを弾きだす、いつもより力が入ってたと思う。

集まってくれたオーディエンスと一緒に「いまここから」を大声で歌った。

 

みんなで「いまここから始めればいい、いつもそばにいるから」って雨の中大声で歌った。