63 大事にしたい アコギサウンド | 柿島伸次オフィシャルブログ powered by Ameba

63 大事にしたい アコギサウンド

アルバム「夜明け前」には一人だけでやってる曲が2曲ある。

 

「裸足のままで」はアコースティックギター(ギブソンJ-50)とハーモニカ(ホーナーマリンバンド)。

「眠ってる君に」はアコースティックギター(タカミネのドレットノート)とオカリナとリコーダーでレコーディングした。

 

バンドサウンドも大好きだが、アコースティックサウンドも大好きだ。

 

20歳以降、洋楽ばかり聴いていた。

ストロークのグルーブをボブディランから、フェインガリングの繊細さをサイモン&ガーファンクルから。

ハーモニカ(ブルースハープ)に関してはスプリングスティーンやニールヤングの影響が強かった。

メロディを大まかに吹くスタイルに真実味を感じた。

 

80年代トムペティと来日した時のボブディランの弾き語りがかっこよくて自分なりにそれをマネしてる。

アコギとハープと歌であんなにグルーブを出せるなんて、いまだに目標だ。

 

「裸足のままで」は路上で歌ってた時の大事な曲、この歌をアルバムにそして弾き語りスタイルで収録できたことは嬉しい。

60年代のギブソンJ-50と木のハーモニカのざらついた感触が物語にマッチしたと思っている。

ギターチョイスはとても大切だ、ギターだけじゃなく全ての楽器にいえることだ、それでサウンドの方向性が決まる。

この曲にはどうしても他の楽器が聴こえてこなかった、コーラスも不要。

これはスタジオに入ってたみんなも同じ意見だったことにホッとした。

 

「眠ってる君に」は新曲だった、ライブでたくさん歌う歌ではないけどこの歌が作れてそして収録されてよかった。

この曲はバランスのいいタカミネギターを使った。

最初に弦を半音さげCコード転回で一本、ダビングで4カポのGコード転回、どちらもサムピックなしのアルペジオで弾いた。

サムピックのあるなしはとても大事でベース音の出かたと爪の当たり方が変わってくる。

エンジニアのナカちゃんがギターのボディに2本スタジオの方々に数本マイクを立ててくれた、エアーの音を録るために。

 

ギブソンJ-50はナッシュビルのグルーンギターという店で800ドルで買った、本当はも少し高かったんだけどケーシーが値引き交渉してくれたのだ、そのギターはもう手元にないのだけれどファーストアルバムのジャケットに写っている。

 

追記だが、20歳の時に買ったマーチンD-28は「忘れてた歌が今」で弾いた。

KeyはDだからずっとDで弾いてたんだけど、どうしてもしっくりこない。

そこで2カポのCでプレイしてみたら驚くほどしっくりきた。

アコースティックギターを弾く時にどのコードで鳴らすかは本当に大事だとその時思った。

 

サイモンとガーファンクルの「スカボローフェアー」はEmだ。

ノーカポのEmでやっても名曲だが、7カポのAmでプレイすることによって大大大名曲になったんじゃないだろうか。

「サウンド・オブ・サイレンス」も「ヒア・カムザサン」もカポを使ったボイシングで大大大名曲になったんじゃないだろうか。

カポは偉大なるアレンジャーだ!と思ってる。

 

アコギサウンドは奥が深い。

このアルバムのレコーディングからますますアコギが大好きになっていく。