47 アルバム曲作り 全曲新曲チャレンジ!
生まれて初めての本チャンレコーディング、どんな曲をレコーディングするのか?
アメリカナッシュビルでレコーディングするということみんなものすごく盛り上がっていた。
そこでとんでもない案がでたのである。
「全曲新曲でいきませんか?」。
誰がいったのか忘れたが、もう決まっていたことなのだろう。
録り溜めていた曲、ライブでやってきた曲から選ぶと勝手に思っていたが違った。
これがCDを出すということなのか、みんなこうしてるのか!?
何ヶ月もかけて一曲ということも多々あるのに、出来るのか!?
<これが出来たら気持ちが盛り上がるだろうし自信もつくだろうな>となんだか急に熱くなったのを覚えている。
か「やりましょう!(やってみます!だったかな?)」と言って全曲新曲レコーディングということに決定した。
ミニアルバムということだったので全曲と言っても6曲だ、って6曲もか!
せっかくだから影響受けてきた洋楽ロックサウンドをやろう(やっちゃおう)!
借金で買った8トラMTRの出番がこんなに早く来るとは。
ギターとピアノでいつものように曲を作ってチャンネルの増えたMTRに録音していく。
今はPCとアプリケーションでできるけど、当時は全部演奏だった。
PCはイントロ何小節でサビがとか画面があるからとてもわかりやすい、今は音楽を見ながら作ったり聴いたりできる。
カセットMTRは想像の世界だ、耳だけで世界を広げてく。
ドラムマシーンでリズムをループさせてその上からギター、ベース、ピアノをかぶせていく。
8チャンネルはすごい、ドラム、ベース、アコギ、エレキ、ピアノ、ボーカル、コーラスがサクッと入る。
今までよりたくさん音がはいるので気持ちもあがる、コーラスも足せるしオルガンやシンセも入る。
「そうか!ソロも入っていいんだ!」今までハープが多かったけどソロのところは空けておいた。
作った曲がOKになるとは限らない、ビクユイチェック(ビクターとユイ)がある、きびしいがうれしい(韻)。
一曲できると「こういう曲もいいんじゃない」とケイさんが。
「マイナーロックも欲しいよね、バラードいいよね、早い軽快なロック欲しいね、アンジェリーナみたいなさぁ!」リュウさんのリクエストはわかりやすくていい(笑)。
それを聞いてまた熱くなった、これは面白くなりそうだ!
ナッシュビルには先に音を送っておかなきゃならない、なので曲の締め切りはとても短かった。
全6曲できた、出来たと言っても歌詞はメチャクチャ英語だった。
メチャクチャ英語とは英語のように聞こえる英語じゃない適当な言葉だ。
歌詞はそのメロに合わせて後で書くという手法をとった。
かくしてレコーディング用の6曲が入ったデモテープが出来た。
キーもテンポもサイズも入る楽器もフレーズもコーラスも全部入れた、もちろんメチャクチャ英語の歌も。
「これをやってください!」というテープだ。
色々つたないところだらけですが「これをこのままやってください!と伝えてください!」
といってテープをナッシュビルに送ってもらった。
今だったらネットで「シュー!」だが、あの頃は車や電車や飛行機に乗って海を越えてアメリカへ、最後には郵便屋さんがその場所にデモカセットを届けてくれる。
なんてドラマチックな、なんてロマンチックな時代なんだ。