43 近づいてるのか?遠いのか? カラ回る日々
氷丸めるマンのバイトはクビになったので、ライブと曲作りと練習、これしかしくなった。
彼女の給料だけで暮らしていた、これを世間ではヒモというのだろうか?きっと言うんだろう。
こんなことは初めてだった、高校を卒業してから役者やバイトと常に何かしらの形で仕事はしていたから。
突破口が欲しかった、突破口はどこだ?突破口ってなんだ?
出口はあるのか?精神的に煮詰まってたかもしれない。
19歳からプロになりたいと動き始めた僕は25歳になってた。
この間に周りでは知人のデビューが決まっていく、お世話になったマインドゲームスのデビューを決めた。
人と比べたところでしょうがないけど、焦ってカラ回る日々。
「弁当屋やめなきゃよかったかな」って中途半端な後悔をしたりした、安くとも自分で一円も稼がないのは精神的に辛い。
ケイさんは新しい曲ができたらデモテープを録ってくれてた。
「TVの向うで」を録ったあたりから親近感も強くなったと勝手に思っている。
これが心の支えになっていた、そしてデモテープ録りが自分でいられる場所になっていた。
そのころからどうしてそういう経緯になったのか覚えてないんだけど、一度落ちた事務所のユイ音楽工房の若いスタッフりゅうさんとしげさんがライブに観にきてくれるようになってた。
自分からアクセスはできなかったのでコーさんとケイさんが話を持って行ってくれたのだろう。
この時期だったと思う、川崎クラブチッタでフォーク界のレジェンド達が集まるイベントがあった。
イサトさん、リョウさん、ワタルさん、ケンジさん、マサトさん等が沢山のファンを集めていた。
これからのフォークソングをということで3人の若者が出演した。
カズヨシ君とマサヨシ君と僕だった、マサヨシ君はCDも作っていてびっくりした、すごい。
マサ「これ聴いてください」とそのCDをくれた。
二人ともマネージャーが付いていた、僕にはコーさんとケイさんがついていてくれてた。
近づいてるのか?遠いのか?
どうすれば……どうやれば……毎日考える日々がつづいた。