42 新しいバイト 氷丸めるマン
弁当配達のバイトは慣れていて時給もよかったけど時間がかかって体力を使った、大雨の日はずぶ濡れになったし、雪の日はチェーンを巻いて配達した、だから時給が高いのだけれど。
もっと時間が欲しい、余裕が欲しい、集中したい。
そこで週2くらいで外じゃなく動かないバイトを探した、バーテンダーだ。
横浜駅から7.8分歩いたビルの地下にホステスみたない?女性が接客をするバーで働いた。
ホステスみたいな人たちはおそらくほとんどが30歳以上だと思う、客層は50.60年代を懐かしむおじさん達だと思う。
カウンターの中にいる僕に「君さ、ウエストサイド物語って知ってる?あれいいんだよー、こうさー、ダンスがさー、あと七人の侍ね!」と話しかけてたから間違いない。
バーテンダーと言っても「何をおつくりしましょう?」といってシャカシャカかっこよくふる感じではなく、不恰好で大きな氷をアイスピックで丸くすることをやめるまでずーーっとやってた、というかこれしかやらなかった(笑)。
丸くした氷を何個も作って冷凍庫に冷やす、注文が入った時にすぐ出せるように。
時給は1,000円、大雨も雪も大丈夫になったから疲れや風邪の心配は無くなった。
そこのママさんはいつも和服をきて綺麗にしてたけどスタッフに厳しくていつもイライラしてた。
僕に対して仕事の指図しかしなかった、雑談はいっさいなし「お時給お支払いしてるんだからとにかく手を動かして」とよく言われた。ウエイター時代と弁当配達時代が懐かしい。
ある日ノーゲストの時ノートに言葉を書いてたら早めにママさんが出社してきて僕をみた。
ママ「あなた何やってるの!!?」
か「想いをノートにしたためてました」と冗談っぽく笑いながら言ったら
ママ「あなた、なにふざけてるの?バカにしてるの?お時給もらってるのになんなの?!」
か「すみませんでした!」姿勢を見せたがダメだった。
ママ「やめてもらいます!」
バーテンダーのバイトはこの日でクビになった。
今となってはいい思い出になってる。
この経験をケイさんに話したら「これを曲にしてみなよ」と。
そしてそれをつくりまたスタジオででもレコーディングしてくれた。
曲名は「く●ば● く●バ●ー」。
面白おかしくかっこよくやったけど今はコンプライアンス的にどうかなって感じだ(笑)。
ちなみにケイさんはこの曲をとっても気に入ってくれた。
かくしてバーテンダーのバイトはほんの数ヶ月で終わった。
「バーテンダー!」聞こえはかっこいいが「氷丸めるマン」だ(笑)。