38 コロムビアのヨーさんとタレント事務所
どこで僕のことを知ってくれたのかわからないが、コロムビアレコードのディレクターのヨーさんが興味を持ってくれてライブを観にきてくれようなっていた。
ステージの感想を丁寧に言ってくれてとてもありがたかった。
感想を言ってもらえることはすごく嬉しいこと。
それがどんな内容でも、ダメな理由を知りたいし、いいと言ってくれるとこも知りたい。
ヨー「柿島君はアコースティックの静かな曲がいいね」と言ってくれた。
歪んだギターとかではなくギターとピアノのキレイなサウンドがいいなぁとヨーさんは付け足した。
ヨー「あ、ビクターさんでデモテープとってることも聞いているよ」と言った。
ビクターのケイさんにデモテープを録ってもらっているのにと、僕が心配してしまうからだろう。
その頃ビブレのコーさんが僕の窓口になってくれていた、誰かと会う時話は僕に直接こなくて全てコーさんが受けていてくれたので安心して誰とも話すことができたのだ。
次第にコロムビアの人を数人連れてきて観てくれるようになった、ライブ終わりにご飯をご馳走になっていろんな音楽の話をした。ヨーさん、オーさん(女性)、ウーさん、皆さんお元気だろうか。
ずーっと後になって知ったがその後ヨーさんはアニメのプロデューサーになって世界で誰もが知るアニメを担当したと聞いて超絶びっくりしている。
同時期に劇団時代の友人コイがタレント事務所に勤めていた。
そのタレント事務所は若い人気タレントがゴロゴロいる比較的新しい事務所だった。
友人コイはそこの社長さんに僕のライブテープを渡していてくれたらしく、一度会いたいと言われ代官山の事務所まで会いに行った。
その社長さんはとても気さくな人で、テープを聴いた感想をズバズバと言ってくれた。
社「君は詞がもう少しかなー」
社「詞は大事だよ、うちにね、すごくいい詞を書く女の子がいるんだよ」とニコニコ話していた。
その女性はその後すぐ大大大ヒットを飛ばす歌手になった。
残念ながら友人コイもその女性歌手も今はこの世にいない、本当に残念だ。
社長さんがビブレにライブを観に来てくれた。
ライブは自分的にいい感じで出来た、ライブが終わって汗がひかないうちすぐ挨拶にいったら、社長は出口に向かうエレベーターの方に歩きはじめてた。
か「社長!今日はありがとうございました!」
社「お疲れ様、うちの事務所とはちょっとちがうかなぁ」と言ってバイバイのポーズをとって帰っていった。
遠ざかる社長の後ろ姿に「ありがとうございましたー!!」と野球部員のような大きな声でお礼を言った。