28 横浜BUDDY バーボン ジャーキー ムーニー
横浜にバディというアメリカンバーがあった。
浅間下という交差点のところにあって、第三京浜から横浜方面にくねっと曲がった坂道を降りてきたところにあった。
横浜駅から15分くらい歩くのだがそこがまたいい、いろんな意味でそこがまたいい。
壁には60.70年代アーティストのレコードジャケットやポスター。
一本の木を縦にザクっと切ってつくられた長いカウンターテーブルには、バーボンやウイスキーの瓶が並んでる。
その瓶たちが電球に照らされてかっこいい、酒の瓶ってなんであんなにかっこいいんだろう。
壁も床も焦げた色の木でできていて、通りに面した窓はトラックが通ると揺れて音がする。
リクエストをするとレコードをかけてくれた、ジャクソン・ブラウンやイーグルス、ドゥービー、オーリアンズ、ニールヤング、ジィムステイラー、リンダロンシュタット、アメリカンロックの良さはこのバディで知った。
ムーニーというブルースの弾き語をやってるシンガーがいるから観に行こうと、
コーさんがビブレに出演しているシンガーのたまご達をバディに連れてってくれた。
ムーニーさんはセミアコ一本で30年代から60年代のブルースやジャグをギター一本で縦横無尽。
ここでバーボンを知った、ブルースにはバーボンがあう、そしてジャーキー、そしてブーツ。
ブーツと木の床は相性がいい、リズムをとるとそれがパーカッションになった。
そこでまた度肝をぬかれたのだ、こんなに歌上手い人いるんだ!本物だ!。
ギターのリズムがすごい、歌がすごい、リバーブはいらない、存在感がすごい。
チャージは確か800円だったと思う、ビブレで弾き語りやってる時は確か1,800円だった。
もちろん機材や照明や人件費などあるから並べて比べるもでもないが。
「俺がこんな高いチケットとっていいのか」とBUDDYで盛り上がって帰り道で落ち込んだ。
横浜駅までの徒歩の15分がいい感じだった、話したり、考えたり、こういう時間もセットで好きだった。
それからは金もないのにちょこちょこ通うようになる。
いまでもバーボンを飲むとバディを思い出す。