15 「スクールウォーズ」の撮影の行き帰り | 柿島伸次オフィシャルブログ powered by Ameba

15 「スクールウォーズ」の撮影の行き帰り

これまた19歳の時の話。

ドラマのレギュラーのオーディションの話が来た。

 

この一ヶ月くらい前に駒場東大前にあるアゴラ劇場で高校球児の役をやっていた。

カッコつけたい年齢なのに僕の頭はスポーツ刈りだった、同年代男子の髪型はみんなマッチみたいでカッコよかった。

なんとオーディションに生まれて初めて受かったのである、スポーツ刈りのこの僕が(笑)。

 

「スクールウォーズ」は実話を元にしたラグビーのドラマで、途中からものすごい人気がでた。

僕は川浜高校ラグビー部員高杉克之役で出てた、イソップや大木と同級生役だ。

 

撮影はめちゃくちゃキツかった。

ロケが多かったので寒さがしみた、真冬に夏のシーンを撮るため顔にベビーオイルをぬってその上から霧吹きを吹きかけられる、ストーブも部員はそうそうあたれない。

 

裏話をしちゃうと……

まず交通費がでない、弁当代がでない、ギャラが……もう言っちゃうけど一本18,000円だった(内緒)。

週6の撮影肉体的にも精神的にも寒いのだ、たまにあたれるストーブにあたれても寒いのだ(涙)。

 

撮影は中河原駅にある大映スタジオ、ロケも聖蹟桜ヶ丘とか京王永山という府中方面が多かった、京王線方面は京浜急行利用者にはものすごく遠い。たまに厚木のグラウンドだったりするけどやはりこちらもと遠かった。

なので集合時間が早すぎて電車がなく2時間くらいかけて車で通っていた。

2時間というのは遅刻はできないという理由で余裕をもって早めに家を出てたから。

 

当時は10年落ちの中古車、1800ccのスカイラインTI、色はくすんだベージュで4速、重たくてスピードが出ない。

免許取り立てだからぶつけたりこすったりするだろうということで本当にボロい車を近所の修理工場から18万円で買った。

 

 

クラッチはすべるし、ガソリンは食うし(リッター4くらい)、ブレーキ弱いし、タイヤつるつるだし、ハンドルくそ重いし、アイドリングは10分かかった。

ちなみに滝沢先生はフェアレディーZの新車、「悔しいです!」の森田光男さんはプレリュードの新車、すぅ〜って走ってく(笑)。

 

この長い車の行き帰りに音楽を聴いた。

主題歌の「ヒーロー」が入ってたから映画「フットルース」のサントラをオートリバースで聴いてた。

このボロ車、カセットだけはちゃんと動いてたんだ(笑)。

 

このころから洋楽に少しづつ聴くようになる、まだ流行っているものを聴く感じ、好きな洋楽アーティストもまだわからない気づかない。ベストヒットUSAもこのころ観だしたと思う。

 

しだいに他の洋楽のカセットも車に持ち込んで行き帰り音楽を聴いた。

一人で車に乗ることでプライベートな空間を体験、集中、没頭がしやすい空間だった。

じっくり一人で音楽を聴く、いろんな楽器が鳴ってるのがいつもより聞こえた。