4 アイザワ君への憧れ | 柿島伸次オフィシャルブログ powered by Ameba

4 アイザワ君への憧れ

同じクラスのアイザワ君は秀才タイプ。
中学生にしては珍しくポマードみたいなものをつけて横分けで前髪がタランとすると左手で髪を持ち上げならしていた、そしてピアノが弾けた。

アイザワ君は昼休みの音楽室でよくピアノを弾いてたので見にいった。

音楽室のドアを開けるとものすごい情熱的なピアノが聞こえてきた、マイナー調の早い曲だった。

か「ねぇ、それなんて曲」
ア「自分で作った曲」
か「え!?自分で作ったの?習ってるの?!」
ア「ううん、習ってない、自分で考えたの」

僕はぶったまげた。

か「え!習ってなくてもピアノって弾けちゃうの?」
ア「(髪をなおして黙ってまた弾き始める)」


家に帰って家具ではなくなったピアノに向かった、正真正銘見よう見まね、そう今度はアイザワ君がいたから。

毎日音楽室にいってアイザワ君の演奏にしびれた、かっちょいい。

夏休みの音楽の課題発表というのがあった。
歌でもリコーダーでもなんでもいい、夏休みに練習してきたものを発表するというもの、ほとんどの人がリコーダーだった。

なんとアイザワ君はグランドピアノの前に座り「新曲です」と言ってオリジナル曲を披露したのだ、おー!かっちょいい。

その時の奏法は左手をガバッと開きオクターブで親指と小指を交互に動かす奏法だった(ポールマッカートニーがよくやるやる)。

「おー!アイザワ君もこうやってるのか、これなら出来るかも!よし!俺もやってみよう!」とピアノで曲を作り始めた。

旅をしたこともないのに「なんとかの旅路」みたいなタイトルをつけた記憶がある。


柿島家の親戚の正月はおじいちゃんおばあちゃんの家に集まって子供達が一芸を披露するという行事みたいなことをやってた。

その時に僕はアップライトピアノの前に座って「新曲です」といって「なんとかの旅路」みたいな曲を披露した。
新曲です!といって演奏する気持ちよさよ(笑)。

たぶんアイザワ君の曲にそっくりだったんだと思う(笑)。