僕はてんかん持ちです。
僕は職場で突然倒れたことが発症で、今までてんかんと闘っていますが・・
発症以降の数年間、症状にしても副作用にしても、差別偏見にしても、「てんかん」に始まる辛い辛い経験してる人を、自分の周りで見たことは一度もありませんでした。
ですから、日に日に発作の回数は増えるし、しかも、本格的にてんかんの薬物治療を始めて、診察のたびに抗てんかん薬の量や種類は増えるばかりなのに、発作は減らないし、発作症状はひどくなる一方・・そんな状態でしたから。。
「なんで自分だけが、こんな辛い思いをしなきゃいけないんだ!!」
こう思っていたことは言うまでもありません。。
それに加えて、たびたび起こる身体硬直で、何度も死ぬような思いをさせられていたというのに、主治医はずっと、
「その身体硬直は、薬の副作用だと思う。」でしたし、「これから毎日、どう生きていけばいいんだ??」と毎日思っていましたよ。
主治医(当時は某T大付属病院)は、当時はまだまだ若手の医師。(今は、トップの教授らしいですが。)
正直言って「てんかん」については、病院内の医療機器、検査機器等も含めて、「これ以上の治療はお手上げ」みたいな感じでした。
それほど、僕の症状も難治性のものだったということなのですが・・
その先生が、たまたま、国立精神神経センターで、医療研修を受けたことがあり、その時に指導をしていたのが、今の僕の主治医だったようで、
ある日、「実は・・都内に、てんかん専門の病院があります。日本中から重症の患者さん達が集まってくるような病院なので、かなり驚くと思います。そちらで診てもらってはどうでしょう?それでもよろしければ紹介状を書きますが、どうですか?」と言われました。
それで、紹介状を書いてもらい、国立精神神経センターに転院したわけです。
そして、早速初診予約の電話をするも、「3カ月後になります。」でした。(同じような経験されている方も多いと思いますが。それほどてんかんと闘ってる方の人数が多いってことですね。)
そして転院後、しばらく外来通院してましたが、1年くらい経ったある日、主治医から、「入院して、症状を確認したいのと、薬物調整しましょう。」と言われ、精神科病棟に約4カ月入院。
リボトリールの断薬に始まり、それ以外の薬も減らしたり増やしたりで調整しながら、発作の確認をすることが目的でしたが・・
ここでは、日本中の病院から集まってきていた、かなり重症な方ばかりでした。
会話のキャッチボールが難しいおじいちゃん、自閉症やうつをもった中学生が同室だったり、病棟内では、1時間に1回は誰かが発作で倒れたり・・こんな状態でした。
しばらくは自分が置かれた環境に戸惑いもありました。それでも、食事の時は同じ病棟の同じフロアで入院中の仲間みんなと一緒に、食堂ででしたから、同世代の方、仕事してる方、してた方もいましたので、積極的に話してたんです。
そこで、患者仲間からの発作の話、副作用の話、差別偏見を受けた話等々の辛い話を聞いた時、
「えっ?自分も同じですよ。。」
驚きもありました。それと同時に、自分よりはるかに辛い話、でも症状的にもかなり似通った話もありました。
「えっ?自分と同じだ・・それに、自分よりはるかに辛い経験されてる。。」
それに加えて、患者仲間の発作を初めて見たりとか、男性女性年齢関係なく、いろんな経験話を聞いて・・
「なんだ、オレなんて全然軽いし、恵まれてるんじゃん。。」と強く思いましたね。
似たような意識喪失、身体硬直、失語等の発作、薬の副作用等々・・
僕と同じような経験であって、さらに辛い思いをされてる話を聞いて・・
「今まで、自分は何に苦しんできたんだ??」とまで思えたし、
「自分だけ辛いわけじゃないんだ。一人ぼっちじゃないんだ!」と思えて、
ものすごくホッとした、何かつっかえていたものが取れた・・そんな感じでしたね。
「安堵感」と言う言葉で簡単に言えるかわかりませんが、
あの時の・・「自分だけじゃなかったんだ。」と思えた時の気持ち今も忘れませんよ。まさに仲間と「辛さの共有」ができた瞬間ですね。
それで、あの気持ちがあったからこそ、今の僕のブログ発信を続ける気持ちがあるんです。
ここいくつかのブログで、ブロ友さんから「あれは自分だけが何かおかしいんだと思ってたら、そうじゃなかった。」ってコメント等で話をもらって、僕が「同じてんかん持ちの人と、初めて話した時のすばらしい経験」を思い出したんです。
今は、こうして、同じてんかん持ちのブロ友さんと話すことができるし、僕がその入院時に「同じてんかん持ちの人と、初めて話した時の経験」で感じたあのすばらしい気持ちを、少しでも同じように感じてくれたら、本当にうれしいですよ。
これこそ、てんかんがいかに「見えない病気」であり、「理解されない病気」であり、「知らない病気」かということなんでしょうね。
これからも、このすばらしい気持ちを忘れずにブログ発信続けて行きますね!