僕はてんかん持ちです。
発症して以来、約25年経った今でもてんかんと闘っています。
先日、あるブログを読んでいてこんな話がありました。
幼少の子供さんがてんかんを発症し、発作がひどい、見ていられない
それで、「薬を2倍飲ませればいい。そうすれば発作を抑えられる!」と。ご主人が・・
抗てんかん薬って、そんな性質のものではありません。
倍の量の薬を飲めば効く・・かもしれません。
それでも、急激に副作用が強くなりますから、これほど危険なものなんです
僕自身、何度も書いてますが、アレビアチンを誤って2回分飲んだ、それだけで足、いや全身に力が入らなくなり、立ち上がれなくなった
そんな怖い経験もしてます
ブロ友さんでも、このアレビアチンと、ヒダントール(両方とも一般名「フェニトイン」。成分は同じ。)の飲み方を間違えて、とんでもない状態になった方もいます。
主治医の指示は、「今飲んでるヒダントールの手持ち在庫が無くなったら、アレビアチンを飲んでください。」でした。
ところが、それをよく聞いていなかったため、「ヒダントールに加えてアレビアチンを飲む。」と判断してしまい、両方とも飲むようになったと。
てんかん持ち本人である子供さんは、薬を自分で服用管理できるような状態ではなかったので、ご両親がその指示通りに飲むべきところを誤って伝え合ってしまったためですが・・
子供さんは、この通院日以降、急に異常なほどふらつきが強くなり、まっすぐ歩けなくなったんです。
子供さんも何がどうなっているのかわからなくなったようです。まっすぐふらふらとしか歩けなくなったんですからね。。
「先生から言われた通り飲んでいるのに、何が悪いんだ??」そんな気持ちだったようです。
それはご両親も同じだったのでしょう。「どうすればいいの??」と悩んでいたと・・
「ヒダントールが無くなったら、アレビアチンを飲む(薬の切替)」はずが、「ヒダントールとアレビアチンをいっしょに飲むようになった。」んです。
ということは、両方とも同じ成分ですから、実質的にフェニトインを増量してしまったことになり、僕の「誤って2回分飲んだ」話からもおわかりですよね?
その方は、当時僕のブログを偶然読んで、「飲み方の間違い」に気付いたということで、主治医の指示を再度確認して、飲み方を修正したところ、ふらつきも弱まり、その後は発作もおさまって、それ以降出なくなった、という話を最近聞きました。
偶然でしたけど、僕にものすごく感謝していただいたのを今も忘れません
このような場合はあくまで一例です。
他の薬であれば、副作用も違いますから、急に精神症状が強くなったりするとか、どうにもならなくなることもあるでしょうし。
それだけならまだいいんです。(←良くはないですよ!)
それでも、勝手に増量することがいかに怖いか、よくわかると思います。
特に新たな薬を、飲み始めの頃に、勝手に増量したりすることで、他の薬との飲み合わせで、死亡事故だって起きているんですからね
(これは、実際は医師の指示ミスだったようですが。)
ここまでは至らなくても、副作用を強めることで、重篤な後遺症が残ってしまったなんて話は、他にもあるようですからね。
それと、薬の血中濃度を急に上げる危険性があるという点では、「グレープフルーツ」、「飲酒後の服用」なども危険ですからご注意を。
それから、、自分の判断で薬を減らすことは非常に危険なことだということです。
「こんな薬、いくら飲み続けても発作なんて減らないじゃないか!」
「副作用が辛い。こんな薬、もう飲みたくない!」
このような気持ち、よくわかります。。
だからといって、ここで自分の判断で減らせば、「減らす」行為がスイッチになって、しばらく出ていなかった発作が出たり、発作が増えたりする危険性は大なんです。
しかも、全身的な体調が急に悪くなる・・なんてことも多くあることです。
どうして「抗てんかん薬」ってこんなに理解できないこと多いんでしょうね??
他の薬、例えば風邪薬とか、頭痛薬とかみたいに、「1週間飲み続ければ症状が治まる」っていう性質のものではないですし・・
「副作用かな?」と思われるような状態が出て、「異常な状態かな?」と思われたとしても、主治医の判断を仰ぐ(僕は、今でも異変を感じた時は、主治医に電話して、対処方法の確認することありますよ。)、あるいは調剤薬局の薬剤師さんに連絡して、判断を仰ぐことです。
そして、薬の増減は、その判断を仰いだ後にしてくださいね。
ある程度の副作用は、それを我慢して、それとも闘いながら治療を続けていかなければならないものなんです。。
「てんかんと闘う」というのは、「発作と闘う」だけじゃなく、「抗てんかん薬とも闘う」ものだと思っていますからね。
ですから・・本当に辛いですよ
でもこれも、大きな「自己防御」ですよ。