僕はてんかん持ちです。
発症して20年以上も経った今でも、てんかんと闘っています。
しつこくなりますが、僕はこのブログに、この20年以上の間に自分で経験した経験談、入院等で仲間になった人達から聞いた経験談を中心に、書いています。
だから、かなりリアルな話ばかりなので、読んでくださった方から、
「自分だけがこんな経験してるんじゃないと知りました。」と、すごくホッとしたというコメントをいただきました。
まずこれなんです
てんかんを発症してから・・「どうして自分だけがこんな辛い思いをしなきゃいけないんだ!!」と、発作症状、薬の副作用、差別や偏見等々・・・本当に辛いですよね
それでも、通常は薬物治療がほとんどですが、主治医の診察を受け、言われるがままに抗てんかん薬を飲み続ける
それでも、第一選択薬の単剤投与から始まり、増量増量・・
うまく発作抑制効果が出なければ、第二選択薬を追加し、また増量。
それでもうまくいかければ、更に抗てんかん薬の種類を増やしたり、
飲んでいた薬を別の種類の薬に切り替えたり・・
定期的に採血して、抗てんかん薬の血中濃度を検査して、その結果により、また量を増やしたり減らしたり・・
それでも、発作が減るどころか増える、あるいは増えはしなくても、1回ごとの発作がひどくなったり、重積状態になったり・・
この間、必ず副作用がついて回りますから、ふらつき、眠気、複視、震戦、吐き気、頭痛、薬疹等々とも闘うことになる
どうにもならない、生命の危険を抱えるようになると、脳外科手術を受ける場合もある(僕は脳外科手術経験者です)
それだけならまだしも、血のつながった両親や親戚を始め、周りの人から、差別、偏見が始まり・・ストレスが溜まり、これが発作を起こしやすくする
それでも、ほとんどの方は、主治医の言われるがままにさまざまな治療を受け、おさまらない発作に、副作用に、苦しむも、主治医以外の人には誰にも相談できない・・
なぜなら、
「発作が出ない限り、外見はごく普通の人(健常者と変わらない)」って方がほとんどだからです。
しかも、
てんかんは「100人に1人の病気」というような言われ方をする。それほど同じような辛い思いをしてる人が多いはずなのに、「周りにてんかんの人がいないし、見たこともない。このアメブロでやりとりで話したのが初めてです。」という人が非常に多いんです。
だからって、「自分の発作ってどうなるの??」と思っても、自分では発作を見ることはできないんです。
見ることができたからと言って、「じゃあ、発作が起きたら、自分でこうすれば危険が回避される。。」・・なんてことできないんです
治療と言えば・・基本的には、主治医の指示をそのまま受け入れるだけ。自分でできるのは、不調な部分を診察の際に訴えるくらい。。
それを本人ができずに、支援者の方が代わりに、という方も多いでしょうが・・
それでも、基本的には受け身で診察を受けるしかないんです。
だからって、発作が減る、治まるなんて保証はどこにもありません。
もちろん、たった1種類の薬の服用だけで、発作が消失なんて方もいらっしゃいますよ。羨ましいですけど
「でも、それでいいんですか?」ってことなんです。
僕が過去の経験から、考え、そしてみなさんにもご参考に発信してる『自己防御』(僕は、この言葉を使ってるので。「自己防衛」ではなく。)・・
ほんの些細なことでも、その『自己防御』を実践することで、発作を減らすことだってできるし、気持ちを変えることで、気持ちが前向きになることだってできる・・そう思ってます。
ただ、僕は脳外科手術を受けたおかげで、以前のピーク時に1日平均10回以上の発作が出て、いつ命を失ってもおかしくない状態で毎日を過ごしていた、あの時期に比べたら、身体硬直の発作だけは消失したおかげで、発作の頻度も激減し、多くても1日2~3回の小発作だけの状態で生活できてるので(あ、倒れることはほぼないですが、強めの意識喪失発作で救急車にお世話になる、あるいはその寸前みたいなことはたまにありますよ。)、
「そんなお前に、自分の辛さがわかるわけないだろ??」みたいに、思ってる方もいるでしょうね。
そんな方は、スルーしていただいて全然結構です。
例えば、僕が発信してることですが・・
発作を引き起こす大敵は、「睡眠不足」、「疲れ」、「ストレス」です。
これって、自分の自助努力で「自己防御」できるもの、ありますよね?
「夜更かししない。」、「眠い時、疲れている時は、無理をせず横になる。」
・・スマホを見続ける、テレビやゲームを見続けることだって、疲れを助長してるんです。
「ストレス」にしても、何も知らないくせに、自分を差別偏見してくるような人、まさに「ストレス要因」ってやつですが、こういう人との関わりを、仕事とかでも必要最小限に抑え、それ以外は無視するとかです。
実際僕は、自分を差別して「お前はもう俺の子供じゃない、キチガイだ。」とまで平然と言った父親と絶縁して、もう15年以上も会ったことも電話等で話したもないし、職場で差別偏見しくる上司とは話す時は視線を合わせない、なんてことずっと続けてますよ
自分で自助努力で頑張ってやらなきゃいけないことですよ
できないことを言ってるわけじゃなく、「やればできること」だからこそ、『自己防御(自分で自分を守る、発作を防ぐ。命を守る。)』なんです。
それ以外にも、
①「緊張状態(強)」が、「ホッとして緩んだ状態(弱)」になった時に、発作が出やすくなること
②抗てんかん薬を減らすことは、そのことだけで発作を起こしやすくすること(見合いに新たな薬を飲み始めても同様)
③入浴中は基本的に①と同じなので、発作が出ることで、溺れて危険な状態になることもあるので、十分な注意が必要
なんてこともです。。
ですから、外出から帰宅した時とか、うとうとしてる時、睡眠時に発作が起きやすくなる・・なんてことにもなるわけです。
こういうことを知ってるだけでも、「飲み始めた薬が全然効かない。」って思っても、本当にそれだけか?となりますよね?
「しっかり睡眠取ってるか?」とか、「帰宅時に発作が集中してないか?」とかです。。
生活のリズムを少しずつ見直すとか、(帰宅後すぐに横にならないとか)そういうことを自省して、直した上で「やっぱりこの薬は効果ない」と結論出す方がいいと思うわけです。
あとは、ちなみに僕自身昨日実践したことなのですが
実は、昨日は体調が悪く、仕事後に定期通院なんてとても無理だと感じていました。
そして、病院へ電話し、診察予約を1週間先に再度し直してもらいました。
でも、これは、「手元に1週間分以上の薬の予備を持っている。」ことでできたことです。
それが無ければ、「無理してでも通院」しなければいけなかったわけで、その無理が疲れや更なる体調悪化につながり、そして発作を増やす・・なんて危険性だってあるわけですからね。
服用期限の制限がある薬(承認発売されたばかりの薬だと、2週間分までしか処方できない。ただし、今年発売されたフィコンパやビムパットもこの制限は既に解除されてる。)以外の薬について、
「万が一、予約日に通院できないと困るので、1週間分予備のために多く処方してください。」なんて主治医にお願いしたとしても、拒否する主治医はいないと思いますしね。
(それで拒否するような医師なら、主治医を変えた方がいいかもしれませんよ。)
以前、同様の状況で風邪がひどく(今回は違います。)、通院できなかったことがあります。
その時は、一応主治医と電話で相談確認して、自宅近くの心療内科へ行き、その時限りで薬の処方をお願いしたこともありますよ。
ただし、その時は当然「3割負担」でしたが。。
それと、一昨日にもうインフルエンザ予防接種を受けたなんて話も書きましたが、できるだけ早く受けておいた方がいいわけですし、インフルエンザに罹患する可能性を低くしますから、体調維持という意味でも『自己防御』なんです。
僕のてんかんは難治性の複雑部分発作です。患部は右前頭葉、右側頭葉、後頭葉で、手術で一部切除したのは、右前頭葉の脳細胞です。
原因は、今もはっきりわかってはいませんが、おそらく「外傷性」です。
一度強い刺激でてんかんの原因を作ってしまうと、次はほんの軽い刺激でも、脳は同じあるいはそれ以上の発作のきっかけを作ってしまうものですよ。
(これは、脳しんとうがまさにこのパターンですから、脳って外からの刺激に弱いんです。)
そういう意味でも、てんかん持ちの方が、頭に刺激を与えるようなことはできるだけひかえるべきと思ってます。
これだって、『自己防御』だと思いますよ。
そうは言っても、好きなスポーツ(サッカーや剣道など)を絶対にやるなとは言いません。やめることでそれがストレスになって発作を増やすってこともありですから。)
また長くなってしまいましたが・・
てんかん発作で辛い思いをされてる方、そしてその支援者の方に、「こんなことを知ってるだけで」、「こんなことを実践するだけで」、症状の改善や、自分を守ることにつながる・・それで少しでも「辛さが解消されたら」という思いで『自己防御』として発信してるというわけです
そうは言っても、すべての方が同じ様に実践できるわけじゃないかもしれません。それでもと押し付ける気持ちはありませんので、ご参考にしていただければ幸いです