カケラバンクオフィシャルブログ「先の見えないこの時代で」Powered by Ameba -231ページ目

香港と浦島/その3(全8話)

その3
「昔」
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きょとんとしたままの浦島太郎を残し、すなはまをあるくおとこはその場を去っていきました。

浦島太郎は、思い返してみました。

亀を助けた次の日の朝、いつものように外へ出ると、戸の前におんながいました。

ん?誰だ?
と浦島太郎は思いました。
町の人とはどこか違う気がしたのです。

「亀を助けたお礼がしたい。」と、おんなは言いました。
寝ぼけていたからか、うながされるまま船に乗りました。
船にのったら、またすぐ眠くなってしまいました。

起きてみると、船は知らない港にいました。
何人かの知らないおとこが、荷物をおろしています。
「また夢か。」
浦島太郎はつぶやきました。

「意味のわからない景色は、ほとんど夢なんだ。起きたら、いつもの朝の光に包まれる。」

信じられないことが起こると、浦島太郎はこう思うようにしています。
向こう岸を見渡しても海しか見えません。

浦島太郎は思い切って海へ飛びこんでみました。


息をはくと、こぼれる泡。

耳に入ってくる海水。

目の前に広がるきれいな水の景色。


これは、
夢じゃ
ない。

香港と浦島/その2(全8話)

その2
「Asian Beat Grand Final in 香港」


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2月26日。

出発の日。
朝4時半に起きる。
昨日、目をつむった時に気付いたことを準備しながら歯を磨く。
着替えは、多めに。
帽子も、多めに。
楽器はOK、っと。
まだ外は暗い中、
成田へと向かいました。


飛行機は、苦手です。
尋常やない速度で加速してから、浮上するんですよ。
・・・浮上。


「何も恐ないやん。」

早起きだからなのか、言葉少ななモトヤ君は無関心に言いました。

でも、飛行機はもう恐くない!
もがきくるしむなかでとうとう編み出したんです!
怖くない方法を。


1.めをつむる。
2.背中にかかるGは両手のバーで対応
→背中にGはかからない。
3.あわよくば、出発までに寝てしまう。


高ぶっていたため、さすがに3は無理でしたが、
1と2を実践した結果、どきどきした時間はすぐに過ぎていきました。
2は効果的でした。


そして、香港到着。
ディナーは、「YAMAHA」そして、アジア最大の楽器ショップ「TOM LEE」の方々と一緒に広東料理。
テーブルには、TOM LEEのキース、優しげな印象のエリック、ベッカムヘアのマーヴィン。それからモトヤ君に僕にYAMAHAの方々。
「ビアの人?」
全員手を上げる中、僕だけ
「オレンジジュースを・・・。」
と伝える。
「オゥリンジ?」
流暢な英語がキースから飛んでくる。
僕「Because I cry.(泣いちゃうから)」
キース「I want to see(それ見たい!)笑」
といった感じで交流は進みました。


会話は途切れることなく続いていきました。


楽しい夜でした。

香港と浦島/その1(全8話)

その1
「昔」
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見上げれば、曇り空が広がっています。

故郷に降り立った浦島太郎は、すなはまをあるくおとこに聞きました。

「今ぼくがいるこの場所に、ちいさな家はありませんでしたか?」

「あぁ。あったみたいだよ。ずいぶん昔に壊したらしい。そこに住んでた
人は、さかなをとりにいったまま帰ってこなかった、って聞いてるよ。」

「そうでしたか・・・。」

ぼくのことだ、と浦島太郎は思いました。
でも3年やそこら帰ってこなかったくらいで、すぐ壊さなくてもいいのに
・・・。

すなはまをあるくおとこは浦島太郎をふしぎそうにみながらこう言いました。


「どうして300年も前の話を急にするんだ?」


「え?」