映画『ヴァチカンのエクソシスト』



久しぶりにハリウッド系の映画を見た。

『ヴァチカンのエクソシスト』は生涯で数万回の悪魔祓いを行ったという、実在のエクソシストであるブリエーレ・アモルト神父の著書

「エクソシストは語る」をベースに製作された映画らしい。まさか実在の人物だったとは驚いた。




プロローグ




ラッセル・クロウが演じるのは原付を乗り回すアクティブな神父アモルト。ジャーナリストであり、ヴァチカンの チーフエクソシスト(カッコイイ響き)でもある彼は厳格なヴァチカンの中で異端扱いされていたが、その実力はローマ教皇も認めているほど。アモルトは教皇の命により最強の悪魔に取り憑かれた少年を救うべくスペインの古い修道院へ向かう。



アモルトが到着した時、既に悪魔は少年ヘンリーを完全に支配していた。このままでは彼の命が危ない。


アモルトは地元の若き神父トーマスと共に最強の悪魔との死闘に挑む。果たして彼らはヘンリーを救う事ができるのか?




感想


ヒーローみ あるある 


エクソシストと言えば、少女に取り憑いた悪魔と神父の壮絶な闘いを描いた1974年公開の映画を思い出す方が多いかもしれない。首が180度以上回転したり、ありえない体勢で階段を下りてくるあの衝撃的なシーンが忘れられない。


あ、ありえない…


これはスパイダーウォークと呼ばれているらしい


まさかのフィギュアもあり(笑)

買う人いる?


ホラーは苦手で全然見られないネガティブ

という方ももちろんいるだろう。でも今回は大丈夫かも。元祖「エクソシスト」が古典ホラーであるならば、本作「ヴァチカンのエクソシスト」はエンタメホラーとでも言おうか。心底ゾォ〜っとする感覚よりも、ラッセル・クロウ演じる神父がまるでマーベルのヒーロー?とさえ感じるほどのド派手なバトルが印象的だった。



というのもこの映画、悪魔 対 神父の闘いだけにとどまらず、熱い師弟共闘の要素をふんだんに取り入れたバディものとしても楽しめるからだ。


最初、若き神父トーマスが現場に駆けつけた時、彼は悪魔からこう恫喝される。


「お前じゃない!」


意味としてはお前みたいな雑魚はお呼びでない、もっとレベルの高い奴を連れてこい!


って感じね。挑む前から相手にされないほどの超ひよっこ神父、それがトーマスだったヒヨコ


序盤は悪魔に弱みを突かれたり、挑発に乗ってしまったりと全くの足手纏いでしかないトーマスだが、終盤はアモルト神父が悪魔に心身を奪われそうになるピンチをも救えるほどの成長を見せる。

過去の罪を悔い、トラウマを乗り越えた事で彼は一人前のエクソシストとなったのだ。


そしてラストは勝利をおさめたアモルト神父とトーマスのバディが結成された場面で終わる。まるで続編ありき、中国ドラマだったら「第一季完」とテロップが流れても良いくらいだ。


いやこれ、絶対に続編あるよね?


ググってみたら2025年以降にあるかも!

ってラッセルが言ってたらしいよ。興業的にも大成功らしいので、これは来るよね間違いない。



陰陽道に通じるもの 


精神疾患か本当に悪魔に憑かれているかを見極めるためにはどうしたら良いか?神父は祓う前に必ずこう聞いている。


「私の名前を知っているか?」


本物の悪魔は神父の実名や、過去のトラウマも全て見抜くことができる。だからまず最初に自分の名前を知っているかを悪魔に尋ねる必要がある。答えられない場合は単なる精神疾患の可能性が高くなる。


悪魔は祓うものの心に入りこみ、幻覚を見せ、誘惑するなど狡猾な手段を使う。そんな悪魔にどう対峙するのか?ポイントは以下の二つだ。


  1. 悪魔の名前を知ること
  2. 祓う者自身が弱みにつけ込まれないこと


これは陰陽道にも通じるところなのかな?

「名前」自体が一つの「呪」であると晴雅集の中で晴明の師匠が言っていたよね。名前を呼ぶことで悪魔を縛りつける効果が格段に上がるんだなと私は理解した。名前から悪魔の特性やレベルを知ることもできるしね。


晴雅集の感想はこちらから💁‍♀️




陰陽師だと式神や巫術など攻撃にいくつかバリエーションがあるけど、エクソシストは至ってシンプル。ひたすら聖書の文言を唱えるというか、神に祈りを捧げる方法が主流。魔法使いじゃないから攻撃呪文なんて使えないし地味だけど、ラテン語の祈りの文句が悪魔にとっては絶大な効果を発揮するらしい。


一応、十字架や聖水はあるけどあくまで補助的なアイテム。最終的には神父自身の精神力と神からの加護がどれだけあるかで勝敗が決まる、らしい。


日本の悪霊祓いはなんかおどろおどろしいけど、西洋のそれはやっぱり様になるというか、スタイリッシュよね。この辺りはファンタジーではないので、ハリポタのようなド派手な魔法演出とかは無いんだけど、それでも充分にファンタジー味を味わえる作品だった。


聖書によれば地上には200体の悪魔がいるらしい。そんなにいるのかびっくり

本当なら大変なこっちゃ!


今作で一人やっつけたので、残り199体をアモルトとトーマスの二人で駆逐する続編がきっと作られることでしょう笑


お久しぶりのラッセルは貫禄充分で、グラディエーター時代の面影はないけど、これはこれでとても魅力的な陰陽師、もとい、エクソシストでした。


1時間半くらいの短さなので、隙間時間にさっくりみられます。アマプラ民の皆様はぜひ!


ではまたパー