歴史街道丹後100kmウルトラマラソン完走記

9月14日午前4時半、ゲストのはるな愛さんの号砲で京丹後の長い1日が始まった。
初参加のため事前情報と言えばアップダウンがキツく、酷暑のレースになるというマイナス情報のみだったが、普段観る事のない日本海沿いのコースが走れると判り、モチアップにつながり、ワクワク気分でスタートラインに立てた。
レース前日、朝の新幹線でM走會のフーさんと京都入り、そこからバスに乗り換えて3時間半、大会会場のアミティ丹後に到着。
すでに多くの参加者で賑わいを見せ、開会式も始まった。
カキ氷だけ食べて、峰山の「ホテルつかさ」に前泊チェックイン。
近くの和食レストランで夕食を摂り、準備を完了して寝床に入ったのは11時頃。

午前2時起床、朝食が配られ、おにぎりを3個食べて、3時にホテルを出発。
すると、ないと思っていた雨がこのタイミングで降り始めた。
会場で京都から参加のカジさんと合流し、3人でスタート地点に向かう。
スタート直前まで雨が気になっていたが、走り始めるとテンションも上がり、全然気にならない。
スタート直後、微信をしてたら真っ暗な中、自分を呼ぶ声が聞こえ、横を向くとなんとゆあさっちが!
お互いの健闘を祈りつつ、しばらく並走する。
月明かり以外真っ暗な夜道を走る集団は異様な光景だが、どのランナーも楽しそう。

10kmは1時間4分で通過。
七龍峠のアップダウンの割りには順調なペースだ。
ようやく明るくなり、朝靄の日本海が姿を現した。
15km過ぎから前半のハイライトの久美浜湾を1周するコース。
水面のすぐ横を走り、美しい景色に何度か立ち止まってシャッターを押す。

30kmは2時間57分で通過。
湾を1周して再び七龍峠を戻るが、一気に150m上る急坂に何度も足が止まりそうになる。
ほとんどみんな歩いていたが、足に任せて歩かずに上って行けた。
網野町に戻り、42.195km地点を4時間3分で通過。

50kmは5時間1分で通過。ほぼサブテンペースをキープ。
走っている時は、5分30~40秒ペース、約3km毎のエイドに必ず立ち寄りドリンクと頭からバケツの水を掛けるパターンが続く…
中盤は平坦であまり変化がないが、山に向かって徐々に上り基調で進んでいる。
メインの長い坂道の手前にある55.7kmの弥栄庁舎前(第2関門)のエイドに到着。
真っ先に見えて来たのが…京丹後名物のばらずし係りのはるな愛さん。
大西賢治でも本当に綺麗、一際目立っている。
ばらずしとスープをいただき、快くツーショットにも応じてくれて、気さくで感じのいい方だった。
さあ行こうとコースに向かおうとすると今度は坂本さん!
一般ランナーを本当に温かく迎えてくれている。
写真をお願いするとがっちり握手したままツーショット第2弾!
私「これから坂が始まるんですよね?」
坂本さん「そう、坂はゆっくりね、ゆっくり。」
この一言で気持ちが楽になり、頑張らないで行く方針が固まった。
サブテンを捨てることに躊躇いもなくなった。
今日はいろいろなランナーと途中で話が出来て、このエイドの手前でも昨日この坂を車で視察したランナーが、この坂は走らないでキロ12分ペースで歩いても2時間、80km過ぎに余力を残すために敢えて走らない、とアドバイスしてくれていた。

60kmから坂が始まったがすでに気負いはなく、積極的に歩いて行ったので、ゆっくりだが確実に距離を稼いで行く。
暑さの凌げるトンネルや木陰の部分だけ走るようにしたので70km過ぎの坂のトップまで意外と短く感じられ、実際に1時間半でクリアー出来た。

73.5km(第3関門)の碇高原のエイドで預けていた荷物を受け取り、席に座って温かい特製スープを摂り、長い下り坂に備える。
下り坂は、無錫合宿をイメージ出来たので、余裕を持って走れた。
前を走っていたびんたろうさんと話をしていたら、ジョグノ繋がりでなりしんさんとお友達と知りびっくり。
それでより親近感が湧いて話が盛り上がり、しばらく並走するが、びんたろうさんのペースが上がり、あっという間に引き離されてしまった。

80kmは8時間45分で通過。
午後になりますます晴れ渡り、気温も上昇、小刻みなアップダウンが続く。
しかし、随所に現れる日本海の絶景ポイントが気持ちを和ませてくれた。
86.7kmの丹後庁舎(第4関門)では、特製魚つみれ汁、93.4kmでは、お汁粉とスペシャル特産品があったが、いずれもまったく食べる気がしない。
それよりも、時折コーラを見つけると、真っ先にいただいた。

余談だが、終盤のあるエイドでの女性(おばさん)とのやりとり。
ドリンク係りの女性で、すぐに自分の着ているウェア(錦織圭USオープンモデル)に反応してくれた。
女性「それ錦織が着てたやつね」
私「そうですよ。もしかして買われたの?」
女性「ううん、そこの商品嫌いだから」
と、思わぬ反応につい仕事スイッチが入る。
私「そうなんですかぁ、私そこの社員なんですけど、どういうところが嫌いなんですか?」
女性「ほら、いっぱい作ってるでしょ」
私「あぁ…同じ服になりやすいですよね」
女性「そう…それにあそこはモノが良くない!」
と、ダイレクトなご回答にカチンと来たが、言い返す言葉が見つからず、
私「あっ…私はそこの作っている部署にいるんですね。」
女性「…」(苦笑い)
感謝しなければと思いつつ、後味悪くエイドを離れる。

90kmは9時間53分で通過。
ここに来て上りになり、意外と長い坂道。
迷ったがあまりスピードが変わらないので無理せずに歩く。
休んだ分、下りはスピードを上げる。
95kmは10時間26分で通過。
坂のロスが響いていたが、ペースを守れれば大丈夫と焦らずに行く。
幸いコースは平坦になり、町が近づくにつれ、沿道の人も増えて来た。
残り1kmの表示、3時半まで残り10分。
ペースを落とし、最後1kmからレースが終わるのを惜しむようにゴールに向かう。
ラストスパートはせずにゴール!

サブテンのゆあさっちが迎えてくれて、完走の喜びを分かち合うことが出来た。
フーさんも無事12時間台で完走、カジさんは今年は及ばず残念、来年またチャレンジするそうだ。
今回は、自分らしいレースが出来たこと、上海に来て初めて満足出来る結果と手応えを感じることが出来たことが良かった。
無錫合宿、デニー隊、朝ラン、坂道ダッシュ等…TARCのメンバーにも改めて感謝!