3月になりました。今月のカレンダーは島根県松江市の松江城です。
先日ネットニュースで見ましたが、現在、松江城の近くに高層マンションの建設計画があり、地元では歴史的景観を損なうとして建設に反対する住民グループにより市内で意見交換会が行われたということです。
マンションは19階建てで、高さ57メートルとされ、大阪市の不動産会社が松江城を望む県庁の隣接地に計画しています。
松江城の天守が建つ亀田山の標高は29m、天守の高さは22.4mです。
つまり、マンションが完成すれば松江城天守とほぼ同じ高さになり、写真を撮るアングルによってはマンションが写りこむことにもなりそうです。
市民からは次のような意見が出されました。
・松江城現在世界遺産登録を目指している。今回のマンション建設がその障害になることは避けなければならない。
・「宍道湖のほとり江戸期の内堀・外堀を残す城下町」が松江市の都市形態。城下町であり水郷水都であるという貴重な資産を、次世代に確実に引き継ぐことが何より大切だ。
・億ションで地元の松江市民はとても買えない。県外の裕福な資本家が投資で買うために、ずっと続いてきた景色を失うわけにはいかない。
・仮にマンション建設は法的には問題はなくても、街の景観行政を担っている人たちが、今回の計画について何とも思わなかったことは残念だ。
同じような話はアミューズメント施設やショッピングモールなどを誘致して、地元の活性化を図る自治体にも共通していえることです。
地域の人口減や高齢化を防ぐためには若年層が住みやすいこういったマンションを
建てることも必要なのでしょう。
一方で、自分たちの利便性、快適性を我慢してでも、古くからの歴史や伝統を次の
世代に残すべきという人たちの考えも尊重してもらいたいと思います。
私は地元の人間ではないので、無責任なことは言えませんが、一お城ファンとしてはもっと議論を尽くして、地元の人たちが納得できる結論を出してもらいたいと思います。