碓氷第三橋梁(うすいだいさんきょうりょう)は、旧国鉄横川~軽井沢間に明治25年(1892)に架けたれた鉄道橋です。緑の中に映える煉瓦造りの四連アーチ橋は優雅で、通称「めがね橋」と呼ばれ、観光名所となっています。平成5年(1993)には「碓氷峠鉄道施設」として重要文化財・近代化遺産に指定されました。

この橋は、長さ91m、高さ31m、煉瓦が約200万個用いられ、わが国最大の煉瓦造りアーチ橋です。横川~軽井沢間の碓氷峠は信越本線の中では最も開通が遅れた区間ですが、この間の勾配は最大で66.7‰という鉄道としてはたいへんな難所でした。
そのためアプト式と呼ばれるラックレールと歯車を嚙合わせる特殊な方式を採用し、機関車が急勾配を登り下りするための推進力と制動力を補っていました。この方式は、信越線の電化に伴い、昭和38年(1963)に新線が建設されるまで用いたれました。
この旧軌道は「アプト道」と呼ばれる遊歩道として整備され、横川駅の鉄道文化村から熊ノ平駅間の約6kmの軌道跡を歩くことができます。この間三つの橋梁と十か所の隧道があり、めがね橋を代表する鉄道煉瓦構造物群など碓氷峠鉄道遺産にふれることができます。めがね橋付近、熊ノ平駅付近には駐車場も整備されており、すべての区間を歩かなくとも、部分的に見学することができます。
新緑の季節や紅葉の時期などがおすすめですが、暑い夏でもトンネル内はかなり涼しいため、猛暑の時は意外と穴場かもしれません。山中なので熊が出没することもあるようです。ハイキングをされる方は、熊鈴を鳴らすなど注意しながら歩きましょう。

地図-めがね橋
あんなか観光ガイド
2018-08-20

碓氷第三橋梁「めがね橋」(重要文化財)

碓氷第三橋梁 きれいに積まれた煉瓦の橋脚

アプト道(遊歩道) 煉瓦のトンネル トンネル内は照明も備えられている

トンネルの一部に排煙口が設けられている

 

撮影日:2018年05月24日