趙です。
早くも3月、光陰矢の如しです。
旧正月『ソルラル(설날)』連休前に韓国に戻りました。
お正月に使われる「新春」という言葉が気候的に実感を伴うのは旧暦の方ですが、2月10日と遅めだった今年は、まさしく文字通りでした。
2週間後の24日、旧暦1月15日は『正月テポルム(정월대보름』。一年で最初の満月の日であり、農業開始を前にその年の五穀豊穣と無病息災を願う名節です。
テポルムに食べるものは、五穀ご飯、栗やクルミなど殻の堅い木の実、水で戻した干し野菜で作るナムルと、ご馳走というよりは健康食的な趣き。韓国の風土と食文化と人々の生活の知恵が色濃く反映されています。
旧正月が終わると、在来市場にもスーパーにもこの日のための食材がずらりと並び始め、これらを買い求める人々で賑わいます。
ひょんなことから住み始めて2年目の沃川の村では、テポルム昼食会が恒例です。今年も参加させていただきました。
よそ者を迎え入れて下さる村の住民の方々の温かさが沁み、のどかな山や田んぼに囲まれた村の小さな集会所というのも、素朴な名節を過ごすには格好。その後、隣家のS夫人と早春の風に誘われて久しぶりに出掛けた、田んぼ一周以外にコースの選択肢はなく、ものの30分ほどで終わってしまう散歩と合わせて、この日のことは『ある村のテポルムの一日』とでも題された小品の名作映画のように、ずっと心に残りそうです。
新春の十五夜の月は雲に隠れてしまい、やっとお目見えしたのは2日後でしたが、ほぼ満月でとてもきれいでした。
韓国の3月は『三一節(삼일절)』で始まります。
18名の独立有功者がいたという隣の面(町と村の間?)でも記念行事が行われることがわかり、足を運んでみました。
今年で105周年。この国の来し方に思いを馳せました。
会場は小高い丘の上の公園で、ぐるりと周囲を見渡すと小学校がありました。4日から新学期ですが、何と新一年生は一人だけ!
韓国の行く末にも思いを馳せました。
もうすぐケナリと桜の季節が巡って来ます。
楽しみですが、ゆっくりと訪れてくれることを願います。