戸隠の
奥の院へと
杉木立
一足早き

季節を歩き


😸長野県戸隠神社。

 奥の院へと続く参道は、

 季節が下界より進み、そ

 の肌寒さが凛とした気分

 に心を整えさせてくれる。

 そして剛直に真っ直ぐに

 立ち、邪気に対して結界

 をつくるかのような杉木

 立により、神聖な気配の

 中へと導かれて歩くうち

 に、ただそれだけで身が

 浄められてくる。


これ程に
水影映えし
城はなし
アルプスを背に

我が目に憩う


😸国宝松本城の美しさは、

 もはや飾る言葉は不要。

 むしろ言葉が邪魔をする

 程の美しさ。多くの人を

 受け入れ、人に踏まれ、

 人に登られてお疲れであ

 ろう松本城を、たとえひ

 とときでも、我が目の中

 で休ませてあげたいもと

 思い眺めていると、不思

 議と城が我が目の中で憩

 おうように感じられ、す

 ると我が心も城の眺めの

 中に憩おってくる。



文明の
開花匂いし
学び舎(や)に
夜明けにはしゃぐ

子(こ)達が見えし


😸松本市にある国宝・旧開

 智学校は、松本藩の藩校

 崇教(そうきょうかん)

 が前身で、明治の文明開

 化を象徴する小学校。白

 く美しい姿は限りなく清

 楚で、日本の夜明けを思

 わせる希望に満ちた、命

 のような輝きを感じさせ

 る。そして学舎の前に立

 っていると、今にも笑顔

 が弾けそうな子供達が駆

 け出してきそうで、何か

 期待をもたせるような不

 思議な力、生きる喜び、

 明日へ向かって翔び立て

 る心が湧き上がってくる。

 本当に良い学舎である。