コガネメキシコインコのひなぎくが他界しました | フクロウ,インコ,ペンギンと遊ぶ掛川花鳥園ブログ
7月30日 こんにちは、バードスタッフ松本です。
みなさまに、とても悲しいお知らせがあります。


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コガネメキシコインコのひなぎくが、7月25日に、落鳥しました。


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スタッフの手の上で甘えるひなちゃん。気を許した人の手でひっくりかえるのが好きでした。



7月15日あたりから体調を崩し始め、獣医師とスタッフの懸命の看護も空しく、25日の早朝、息を引き取りました。


保護してからは、日に日に容体が悪化していきました。
次第に自分からごはんを食べなくなっていき、ヒナの時のようにシリンジで挿餌する日々が続きました。
私の人さし指をくわえてヒナのように餌鳴きするひなちゃんに、「ひなちゃん、本当にヒナになっちゃったね」なんて言いながらご飯をあげていました。
最期にもう一度ヒナに戻ったようでした。

ひなぎくは、私が初めてヒナから育てたコガネメキシコインコでした。

ひなちゃんは、姿こそ鳥であれ、中身は人間のようでした。自分のことを鳥ではなく、人間だと思っているような節がありました。
そんなひなちゃんを残して家に帰ることが本当に辛く、なかなか帰宅できない日が続きました。


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手前がさざんかちゃんで、奥が仲間のナナイロメキシコインコたち。ひなちゃんがいた頃は、よく4羽で行動していました。従業員用のドアからみんなで脱走するなど、スタッフを困らせました。


最近は、コガネメキシコインコのさざんかちゃんという子と仲良くなり、さざんかちゃん達と4羽でいる時間が増えていました。
いずれ、こちらもブログで取り上げようと思っていたのですが、叶いませんでした。


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まだ幼さの象徴である緑色の残る姿。冬ぐらいの写真。


こんなことがありました。
まだ、ひなちゃんをインコのスイレンプールに放してから、そんなに日が経っていなかった時のことです。

最初のうちは、飛ぶための筋肉が付いておらず、飛行が下手なので、昼間はスイレンプールゾーン、夜間はケージという生活を送っていたのですが、放鳥訓練を初めて数ヶ月経ったある日、ひなちゃんが帰ってこないのです。

いつもなら、夕方になるとスタッフの肩まで飛んできていたひなちゃんでしたが、この日はそれがなく、スタッフ総出で探したところ、なんと天井付近の巣箱からひょっこり顔を出したんです。
どうやら、昼間にさざんかちゃん達と意気投合し(?)仲良くなり、離れるのがいやになったんでしょうね。

この日を境に、ひなちゃんは少しずつ人間から鳥寄りになってはいたのですが、それでもまだまだ甘えんぼで、昼間は人間、とりわけスタッフにべったりでした。


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鳥と人とでは寿命が違うので、いつかは別れる日がくるということは薄々感じていました。
でもそれはもっとずーっと先の未来のことで、こんなに早くやってくるだなんて全然思ってもみませんでした。
振り返ると、ひなちゃんの写真を思ったほど撮ってありませんでした。
まだまだこれからたくさん撮れると思っていたからです。
ひなちゃんはちょうど1歳を迎えたばかりでした。
本来の寿命まで生きさせてあげることができませんでした。バードスタッフとして情けなく思います。

こんなことになるとわかっていたら、最初から手乗りにしなければよかった。
両親に育てさせ、人間とふれあうことなんて教えさせなければ、あるいはもっと長生きできたのでは、運命が違っていたのでは、とも考えました。

でも、今は、これでよかったのだと思うようになりました。
ひなちゃんの遺してくれた日々は、大変貴重で、私やお客様にとってとても温かく、かけがえのないものであったと解るからです。


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ペンをくわえる練習をするひなちゃん。当ブログのトップで、ペンをくわえる鳥の画像がほしいとなり、ひなちゃんも挑戦したのでした。実際は鉛筆をくわえるワライカワセミのケラちゃんが採用されましたが、実はひなちゃんバージョンも撮影していたのです。


今まで、掛川花鳥園にこんなに馴れたインコがいたでしょうか。
人見知りせず、気に入れば初対面の方の肩にも平気で何分でも乗って、くつろいでいたひなちゃん。
人間の手に疑問も感じず、にぎころさせてくれたひなちゃん。
飛んできて肩に乗ると、必ず「ピューッ」て鳴いたひなちゃん。
へたくそな発音で「ひなちゃん」ってしゃべっていたひなちゃん。
緊急事態で急いで隣のゾーンへ行きたいのに、なかなか肩から降りてくれなくてじゃまだと思った時もありました。
でも今はそのすべてがとても懐かしいです。もっとかまってあげられればな…


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ひなちゃんが旅立った日の夜、サン・テグジュペリの星の王子さまを読み返しました。
私にとってひなちゃんは、王子さまにとってのバラのような存在だったと思うのです。

王子さまは、自分の小さな星に、一輪のバラを置いて地球に来ました。
地球で一匹のきつねに出会った王子さまは、きつねに「ぼくをなつけておくれ!」とお願いされます。
きつねは「きみはぼくをなつけることで、世界にただ1人になる。ぼくも、きみにとって世界でただ1匹になる」と言いました。

王子さまは、きつねと絆を結ぶことで、それまでただのきつねだったものがかけがえのない大切な存在に変わったことを知ります。10万匹の他のきつねと変わりなかったものが、世界にただ一匹だけの存在に変わったのです。
きつねから大切なことを教えてもらった王子様。地球に咲く5000本のバラと、自分の星の一輪のバラとでは、全く違う存在であると気付いたのです。
また、きつねはこうも言います。
「ぼくは小麦を食べないから、今まで小麦畑を見ても何も感じなかったけれど、君の髪の色が小金色だから、これからは小麦畑を見るたびに君を思い出す」。


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ひなちゃんは、何も知らない人から見れば、たくさんいるコガネメキシコインコの中の1羽にすぎないでしょう。
でも、私や、ひなちゃんとふれあったお客様や、スタッフは、ひなちゃんはたった1羽のひなぎくという存在だったと思うのです。

きっとこれからも、私はひなちゃん以上のコガネメキシコインコに会うことは出来ないと思います。
こんなに悲しいなら、ひなちゃんを育てなければ良かったと思っていましたが、今は違います。
ひなちゃんを知ることが出来たことで、たくさんのコガネメキシコインコを見るたびに、ひなちゃんの面影を感じることが出来るからです。

正直、今はまだ辛いです。いないとわかっているのに、ひなちゃんに似ているコガネメキシコインコを目で追ってしまいます。
まだひなちゃんと別れてから日が浅いので、そのたびに悲しくなりますが、ひなちゃんと出会って私は本当に幸せでした。

愛しい子と別れる度、こんなに辛い仕事、やめてしまえば…とも思うのですが、その度に思うことがあります。
私がやめてもひなちゃんは戻ってこないけれど、もしかしたら、私がここにいることで救われる命があるかもしれない、息づく命があるのではないか、と。


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尚、当園のわくわくイベント会場にて、今日から約1ヶ月の予定で、ひなぎくの献花台を設けます。
ひなちゃんのことが大好きだったスタッフの田代さんが、ひなちゃんの軌跡をファイルにまとめてくれました。
ひなちゃんに、お別れのあいさつがある方、これから会おうと思われていた方、ぜひ最後にあいさつをしてあげてください。


ひなちゃんの記事を書くのは今日が最後なので、記念に動画を載せさせて下さい。





田代さんと、ボタンをとってくるトレーニングをするひなぎく。
最初はコインだったのですが、100円を盗まれるお客様が続出したためボタンに変わったのでした。
最近では、ノートをめくる練習もしていたみたいです。
とてもとても、残念でなりません。




最後に、ひなぎくのこれまでの記事を掲載させていただきます。


ひなぎく成長記1→http://ameblo.jp/kakegawakachoen/entry-11022500516.html

ひなぎく成長記2→http://ameblo.jp/kakegawakachoen/entry-11022507543.html

ひなぎく成長記3→http://ameblo.jp/kakegawakachoen/entry-11022508137.html

ひなぎく成長記4→http://ameblo.jp/kakegawakachoen/entry-11022513260.html

ひなぎく成長記5→http://ameblo.jp/kakegawakachoen/entry-11032038083.html



ひなぎくその後 前編→http://ameblo.jp/kakegawakachoen/entry-11105969530.html

ひなぎくその後 後編→http://ameblo.jp/kakegawakachoen/entry-11108646453.html




みなさま、今までひなちゃんを愛してくださり、本当にありがとうございました。
とりとめのない、長い文章を最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

1羽の鳥にこんなに入れ込むなんて、飼育員として本当はいけないことでしょうね。
私はまだまだ未熟です。

これからは、今まで以上に鳥たちの健康に気遣い、いつかひなちゃんに会う日に胸を張って会えるように仕事をしていきたいと思います。
ひなちゃんがかけがえのない1羽であったように、どの鳥も1羽1羽唯一無二の存在であることを再確認し、努めてまいります。
ひなちゃん、また会おうね。




★★★★★★お知らせ★★★★★★


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