あったかくなったと思ったら、一気に寒くなったりと、変な天候が続いていますね。
風が強い日もあったりでショーも大変です。皆さんも風邪には気をつけてくださいね!
さて、今日はショーデビューを目指している1羽の鳥をご紹介します。
![ハゲワシ1](https://stat.ameba.jp/user_images/20110401/08/kakegawakachoen/6d/a8/j/o0450030011138004361.jpg?caw=800)
それがコチラ!
エジプトハゲワシという種類のアフリカの猛禽類です。
英名 Egyptian Vulture 学名 Neophron percnopterus
![ハゲワシ8](https://stat.ameba.jp/user_images/20110401/08/kakegawakachoen/9a/05/j/o0450030011138004363.jpg?caw=800)
とても奇抜な顔つきですよね。
ハゲワシの仲間は狩りをして獲物を捕るのではなく、おもに死んだ動物の肉をあさって食べています。
首のあたりの皮膚が伸び縮みするため、この写真ではあまりはげていないように見えますが、死肉をあさるときには首のあたりまで羽毛のはえた皮膚が下がり、はげてしまうんだそうです。
動物の内臓なんかもあさるため、羽毛が血で汚れるのを防ぐために、死肉をあさる鳥たちははげているものが多いです。
掛川花鳥園のエジプトハゲワシは、ヘビクイワシのサハラと一緒にアフリカから掛川へやってきました。この鳥は人とは関わらないところで生活していたため、とても神経質です。
少しずつ少しずつ鷹匠のギャリーさんによりトレーニングをおこなわれています。
人を怖がるため、最初は近づいただけでとても暴れていましたが、ゆっくりですが馴れてきたようで、最近ではギャリーさんの腕の上で立つことができるようになりました。
![ハゲワシ2](https://stat.ameba.jp/user_images/20110401/08/kakegawakachoen/c8/f9/j/o0450030011138004369.jpg?caw=800)
今は腕に乗りながら歩く練習もおこなっています。
普段の禽舎は非公開の山の中にありますが、ショーデビューを目指していますからゆくゆくはショー会場まで行かねばなりません。
人間が歩いたり腕を動かしたりしても、また場所が変わっても、腕に乗っていなくてはなりません。
毎日毎日少しずつショー会場に近づいていきます。
それでもいつもはギャリーさんが一人で調教していますが、この日は私が写真撮影のため同行していたので、いつもより暴れてしまっていました。
人間が一人なのと二人なのとでは、人に馴れていない鳥にはだいぶ違うようです。
![ハゲワシ4](https://stat.ameba.jp/user_images/20110401/08/kakegawakachoen/61/35/j/o0450030011138004372.jpg?caw=800)
途中でギャリーさんに電話がかかってきました。これも鳥には試練です。
タカやハヤブサについて、他の花鳥園のスタッフの方から質問や相談がギャリーさんにはたくさん寄せられます。ちなみにギャリーさんが話していても、ハゲワシはおとなしくできていました。合格!いかなる状況にも馴れていかねばなりません。
![ハゲワシ3](https://stat.ameba.jp/user_images/20110401/08/kakegawakachoen/36/55/j/o0450030011138004373.jpg?caw=800)
胸のあたりをご覧ください。
黄色く皮膚が裸出しています。これはそのうと呼ばれる、食道の一部が広がった鳥特有の器官です。
食べた餌が胃に入る前に、このそのうに入るのですが、他の鳥ははげておらず、羽毛がはえています。
タカやハヤブサなどは、繁殖期にオスからメスに獲物のプレゼントがあり、それでプロポーズとなります。
しかし、ハゲワシは自分で獲物は捕らず、死肉をあさりますのでこのようなプレゼントによるプロポーズが難しいです。
そのかわり、そのうの部分がはげて目立っていることによって、餌をたくさん食べて大きく膨らんだそのうを見せ、自分は餌をたくさん食べている、という点をメスにアピールするのです。
餌に不自由していないオスは魅力的です。オスはそれからメスに食べた餌を吐きだしてプレゼントするそうです。
この写真はトレーニング中なのでまだあまり餌を食べておらず、そのうは膨らんでいません。
次に、エジプトハゲワシの最大の特徴をご紹介しましょう。
![ハゲワシ5](https://stat.ameba.jp/user_images/20110401/08/kakegawakachoen/01/f7/j/o0450030011138004374.jpg?caw=800)
まずはこちら!エジプトハゲワシは死肉の他に、卵も食べるんです。
殻を自分で割って中の生卵を食べています。この卵は小さいのでくちばしで割れますが…
![ハゲワシ7](https://stat.ameba.jp/user_images/20110401/08/kakegawakachoen/36/1e/j/o0450030011138004375.jpg?caw=800)
そこでご紹介するのがこの最大の特徴!
大きな石をくわえていますね。
なんとこのエジプトハゲワシは、道具を使う鳥なんです!
![ハゲワシ6](https://stat.ameba.jp/user_images/20110401/08/kakegawakachoen/55/bf/j/o0450067311138004376.jpg?caw=800)
野生ではダチョウの卵も食べるのですが、殻がぶあつくて自力では割ることができません。
そこで石をくわえて、大きく首を持ち上げて勢いをつけて卵に投げつけ、殻を割るんです。
花鳥園にはダチョウはいませんが、近縁種のエミューがいますのでその卵を使いました。
最初は卵に触れたら餌、石に触れたら餌、石を投げたら餌、というふうに、調教します。
今では石を部屋の中に一緒に入れると、すぐに割ろうとし始めます。
このように道具を使う猛禽類は大変珍しく、知能が高い鳥だということがわかります。
頭のいい鳥はそれだけ調教するのも難しく、ギャリーさんも慎重におこなっています。
さて、この卵を石を使って割る動作を、ゆくゆくはショー会場でやらせたいと考えております。
加えてヘビクイワシとラナーハヤブサと、アフリカの鳥3羽で同時にショーに出演させるのも面白いとギャリーさんは考えているそうです。
ゆっくりですが少しずつトレーニングされているエジプトハゲワシ。
今はまだご覧いただくことはできませんが、ショーデビューする日をどうぞ楽しみにしていてくださいね!
スタッフからのお知らせ!
3月11日(木) 15日(月) 16日(火) 17日(水)
上記の日はハクトウワシ・ハヤブサ・シロフクロウはショーをお休みします。
その他の日も鳥の状態やご機嫌、天候によりショーの内容が変更になる場合がございます。予めご了承ください。
掛川花鳥園 公式ブログも併せてご覧ください。
http://kamoltd.blog110.fc2.com/