バーベキュー? | フクロウ,インコ,ペンギンと遊ぶ掛川花鳥園ブログ
1月21日 こんにちは、バードスタッフ小澤です。
今日は、猛禽スタッフの月に1度ほどしか無い仕事の様子をご紹介します。
それは、鷹匠ショーでタカを飛ばす時に使用する、牛肉の切り分け作業です。

肉

大きなお肉!なんと10?です。
牛のももの部分で、人間の食肉用として販売されている物です。
このように、はじめはこんなに大きな塊の牛肉です。ステーキ何人分かなー

油

これをまず、多すぎる脂の部分をそいでいきます。
まったく無くなってしまってもよくないので、適度になるまでおこないます。
それから、ちょうどいい厚さの1枚肉にしていきます。

切る

そして、これを手で握るのにちょうどよい長さと太さに切り分けます。

手

こんな感じです。ちなみに私の手は子供の手のように小さいですが・・・。

肉2

たくさんできました!これで約1~2ヶ月分です。
どうやって使うのかというと・・・

ショー

グローブをはめた左手で握って使います。
フクロウの場合は、小さく切ったヒヨコなどの肉を右手でつまんで、左手のグローブの上に見せて呼ぶのですが、
タカの場合は、頭もよく何より敏捷性に優れているので、右手に肉を持っていたのではその手に飛びかかってきてしまい、手に怪我を負ってしまいます。
そこでグローブから少し肉を出した状態で呼ぶと、うまくグローブの上にタカを呼ぶことができます。
写真は、鷹匠ショーで今まさにギャリーさんのグローブにとまろうとしているハリスホーク ナイトくんです。ナイトの目はお肉にくぎづけです。

肉とギンジ

こちらはお食事中のギンジくん。くちばしにお肉ついてるよ。

掛川花鳥園では、ショー中での扱いやすさから牛肉をタカの呼び餌として使っています。
しかしここで、誤解していただきたくないのは、
猛禽類は、人間用の精肉だけでは飼うことができないということです。猛禽類はもともとは狩りをして、捕まえた野ネズミや小鳥をそのまま頭から尻尾の先まですべて食べて生活しています。
獲物には肉だけでなく骨・内蔵・血液・皮・毛・羽毛も含まれ、それらも猛禽類には貴重な栄養源です。
私たちはお肉の他に野菜や果物、お魚や豆類などいろいろ食べることで生きていますが、猛禽類は動物しか食べません。動物を丸ごと食べることで栄養のバランスがとれるのです。

それなのに精肉処理された牛肉や豚肉を与えていたらどうでしょう。
皮をはぎ骨や内臓を取り除き、血抜きまでされています。大きな動物のほんの一部分しか食べることができません。
これでは栄養のバランスがとれず、かわいそうに長生きすることはできません。
掛川花鳥園のタカ達はショー中にほんのわずかな牛肉を食べ、終了後にヒヨコやハツカネズミ、ウズラなどを日替わりで丸ごと与えられています。
スーパーで売っているお肉で簡単に家でペットとして飼える鳥ではないということを、ご理解くださいね。



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