大正~昭和の詩人佐藤一英の画賛詩2点を紹介させて頂きます。
私の収集品です。
名古屋城 訪子(ね)人 なくて
岩の間に 緑は萌えぬ
名は老ゆも こころ朽ちねば
息深く 草の香をかぐ
(付記)
松尾芭蕉の句と紹介の画賛詩について
松尾芭蕉が「奥の細道」で詠んだ有名な句
‘夏草や 兵(つわ)どもどもが 夢の跡(あと)”があります。
この句は、
「優れた忠実な家来たちが高館にこもり功名を競ったが、それも一時の夢と消え、今では草が生い茂るばかりだ」という意味です。
紹介の画賛詩は、
佐藤一英が松尾芭蕉のこの句をもじって作詩したものでは…???と思われる。
≪追記≫
名古屋城の年表
・名古屋城は1930年(昭和5年)に国宝に指定されたが、
1945年(昭和20年)名古屋の空襲により天守閣、本丸御殿ともに焼失した。
・戦後の復興にともない、
1959年(昭和34年)に天守閣再建され金鯱とともに名古屋のシンボルとなる。
・2006年に天守閣の南側にあった本丸御殿の準備に入り、2008年に復元工事着工。
・2009年1月19日、本丸御殿復元着工。
・名古屋開府400年にあたる2010年に一部完成予定。
この画賛詩は、名古屋城が再建される以前の様子の詩です。
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詩の部分を拡大しデジカメ
詩の詠み(私の読み方です)
こごしきは 生きいこひぞ
ささやかの 実にいのちあり
こがねなす こつぶを見れば
ささの葉の 猫の眼思ほゆ
こごしき = こうごうしい(神々しい)
ものさびておのずから尊く感じられる。
尊くておごそかである。
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⇒この作品2点は
平成29年10月にI市博物館に寄贈しました。