今朝、井上士朗の軸装の句を詠みました。
(私の収集品です)
井上士朗は、
江戸時代中・後期の俳人で
「尾張名古屋は士朗(城)で持つ」と言われました。
古い句(軸)であり
汚れ傷等あり相当老朽化していますが大切にしている収集品です。
詠み方です。
何事も なくて春たつ あしたかな
士朗
明後日はお正月。
この句は‘立春(春たつ)の朝(あした)”の句ですが、
年末の今日の朝、
この一年平穏無事に過ごすことが出来た
感謝の思いもあり、床の間に一時掛け詠みました。
(付記)
なお、この句は、
井上士朗の「枇杷園句集 巻之一」
春・歳旦に記載されています。
歳旦…①1月1日の朝。元旦。
句意
「春たつ」は中国語の「立春」の動詞化。
陰暦では立春と新年とが大体同じころに来る。
必ずしも一致しない。
だから、「春」は季節の春でもあり、新年(新春)でもある。
「平穏無事に春(新年)の朝を迎えた」ということ。
ことさらな技巧もなくすらすらと言いくだした措辞(おくじ)が豊かな新春を象徴する。
この句の焦点は「朝(あした)」にある。
「かな」という重い詠嘆(えいたん)の語がそれを示す。
新春の感慨は朝にことさらに深い。