お店にはたくさんのイタリアンやフレンチのお店のお得意様もいるから、ご要望でイタリアのプロシュートハムやギリシャのからすみボッタルガとかコンテなんていうチーズとかもガラスケースで並べてある。お客さんもへえ、いろんなの扱ってるんですねえと本職が買うような食材を見いったりしてくれるから、話のネタに見せたりする。



今日はそのなかで秋にとれた冷凍でない本場イタリアのフレッシュという生の黒トリュフが4つ紙に包んでビニール袋に入って出ていた。この前常連のフレンチ店が3万円位買ってくれたが、今日も小さな焼き栗のようなサイズで1つ1500円程度だ。一般には高嶺の花だけどなんか家庭に売り込む手軽な使い方はないかとおかみさんや若大将に尋ねたら、卵かけご飯に大根おろしについてる刃でスッスッと2、3枚削いでのせるのは良いかもという話。
おっそれ使えるよと、小さな紙に卵かけご飯にトリュフ、一粒1500円と書いて中が見えるようにして売り込む。こんなの食べたことがある人はいない超レア卵かけでインスタでもビックリ、正月にきた親戚やら子供たちに出してあげたら人生の記憶に残るよと、紙を開いて香りを嗅がせてあげる。みな興味津々。ちょっと居酒屋で飲んでも2000円。この小さな1500円は価値あるよおと笑いを誘う。結局その用度ではなくイタリアン料理で使うというお母さんが二個お買い上げ。でも他の興味をもって立ち止まって僕と笑い話を共有した方たちもサバやらイカなんか買ってくれたから、いいつかみの役目を果たしてたくさんの方を足止めしてくれた。
僕の魚売りはつかみを作ることから始まるようだ。ハサミを広げて威嚇する川がに、生きてウニョウニョ泳ぐ八つ目うなぎ。水をピュッと飛ばす生きホッキ貝、今日はトリュフも頑張ってくれた。
ふと寝転がってもしかしたらとネット検索したら、ちゃんとあったぁ。麻布十番の居酒屋十番右京さんの人気メニューの卵かけご飯トリュフ1700円。こんなのまであると、年明けはこの写真も皆に見せて本気でトリュフを広めたくなる。サマーよりオータム、更にウインターと香りが高くなり値段も上がる。もちろん冷凍よりフレッシュ。黒より白は数倍高いからほとんど黒が使われる。
