目薬αで殺菌します | 本との出会いは、師との出会い。

本との出会いは、師との出会い。

智慧は、先生から指導されて身につけるものではなく、自ら学ぶものです。ですから、先生が本であっても、生徒の意欲が高ければ、学習の成果が期待できます。書店には、素晴らしい先生方が、時代を超えて、いつでも待っています。

 森先生の作品としては珍しく「私」という一人称の語りで始まり、謎めいた女性が描写される私好みの様式だ。読者を引き込む作品の特徴に「謎めいた登場人物の素性を知りたい。」という心理があるのではないだろうか~

 この物語は、目薬に異物が混入するという事件で始まるのだが、森先生は、その時々で話題になっている事件を取り入れているのかもしれない。他人ごとではないので、何か参考になる情報があるかな?

 あんなに引き込まれたS&Mシリーズと異なり、Vシリーズに続いて違和感ありまくりのGシリーズなのだが、とりあえず読み進めている。

 新たな刺客(テロリスト)も登場し、ありふれたミステリーのような緊張感も高まる「α」だが、お約束の叙述的な技が恥ずかしげもなくぶっこまれているところが森先生らしい…

 この巻では、犀川先生が登場し、近藤刑事を相手に、森博嗣版『嫌われる勇気』のような対話を繰り広げるシーンがあるのだが、 森先生が犀川先生の台詞を借りて語る哲学に触れると、ハリー・ポッターに登場するデスイータ―に生命力を吸い取られるような気持になってしまう。

 それにしても赤柳の素性・役割が曖昧で、増々謎だ…誰が何のためにということが分からないことが更なる混迷を深めて行く…

 

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