どうもベンゼン環Pです。
会いに行くよムーンライトながらにのって
の歌詞解説です。
動画はこちらです。
https://www.youtube.com/watch?v=8yayXYOfY7s
歌詞は以下のとおり…
A
18きっぷの稼動期間
大人になったばかりで精一杯
東京駅のお土産つめて
僕たちの結びに向かう
B
会いに行くよ
ムーンライトながらにのって
ジョイント音共鳴して
心響高鳴る
C
今に無いもの集めに行こう
君が足りないそれだけは明らか
失敗重ねて育ちあがった
新しい町にも通じてる
D
会いに行くよ
ムーンライトながらにのって
夢の中シミュレーション
何を話そう
E
会いに行くよ
ほっぺたつねる
離れても
また届けてくれる朝の世界
タイトル
「会いに行くよムーンライトながらにのって」
私の作風ではありますが、ことわざやら既存のタイトルをもじったものを主題にすることが多いです。こうすることでIFを高めるのが目的です。
パクリじゃないです。オマージュです。
本曲はもものけ姫のオマージュですね。
終幕でアシタカがサンと別れる際に言う言葉
「会いに行くよヤックルにのって」がもとネタとなっております。
遠距離恋愛中、年に数回きりの逢瀬の去り際に言ってみたい言葉だと思います。
しかしながらこの車社会においていう機会はないですよね。
というかヤックルは架空の動物らしいです。
そこで、現代における遠距離恋愛の移動手段の一例としてムーンライトながらをあげてみました。
ムーンライトながらは主に18きっぷの発売期間である春、夏、年末年始を中心に大垣-東京間を深夜帯に運行する臨時快速列車です。
長距離移動するとなれば飛行機なり新幹線なり使えばよいのかもしれませんが、あえて列車を使うことでどのようなドラマが生まれるのか?
これがこの曲の主題となります。
Aパート
タイトルで述べたとおり、ムーンライトながら運行期間でもあります。
18きっぷは、JRの一日乗り放題切符であり、とにかく安く長距離移動できることが最大の利点です。
欠点としては特急、新幹線などで使うことができないので移動時間が長い、販売期間が大学生の長期期間休みに該当する春、夏、年末年始に限られることがあげられるでしょう。
期間に関してはどうにもなりませんが、夜行列車を使えば寝ている間に目的地につけるので日中にフルで活動できますね。
大人になったばかりで精一杯
何を以って大人になったというかは聞き手次第でしょう。
考えられるパターンとしては…
・高校に入学した。
・大学進学した。
・二十歳になった
・就職した。
以上があげられるでしょう。
いずれにしても、まだ収入が少ないから交通費を抑えたい状況であります。
故に、18きっぷを選択していることがうかがえます。
東京駅のお土産つめて
ムーンライトながらは東京発と大垣発との両方があります。
動画のタイトル上でも東京発となっていますが、ここで改めてどちらであるかを定義しています。
地方で育ち、都会にでた。そんな状況もうかがえます。
また、お土産を渡す相手のいることが示唆されます。
僕たちの結びに向かう
ちょっと日本語がおかしい気がします。
おかしいこと言えばIFは高くなると私は信じています。
作中には大垣の言葉は出てきていませんが、大垣は松尾芭蕉が奥の細道の執筆に当たって最後の訪れた地であり、奥の細道結びの地とされています。
松尾芭蕉は旅を通して不易流行を求めたと伝えられています。
私なりに不易流行を解釈した記事があるのでこちらもどうぞ。
創作と旅においては重要な概念です。
そんな土地的な意味での結びに加えて、お土産を渡す相手と出会った場所、結ばれる場所、縁を深めていく場所そんな意味を「結び」にこめています。
余談ですが、同じく岐阜が舞台となった君の名は。においても結びがキーワードになっていましたね。
そして初めて一人称、僕が出てきました。
素直に考えたら男なのでしょうけど、声が女声なので僕っ娘の可能性も匂わせてます。
Bパート
サビです。
会いに行くよ
ムーンライトながらにのって
タイトルの説明どおりです。
新しい情報として、お土産を渡す相手に会いに行くことが伺えます。
ジョイント音共鳴して
心響高鳴る
ジョイント音とはいわゆるガタンゴトンです。
夜行列車であることもあって静かな車内。
聞こえてくるのはジョイント音、そんな情景を表現しました。
心響は「しんおん」と読ませています。
日本語がおかしいかも知れないです。
歌わせているのがkokone、漢字で書いたら心響なのでこうしました。
車内があまりにも静かなので、心臓の鼓動ドクンドクンが聞こえてくるようです。
そして、翌朝には何日かぶりかの親しい相手と会える。
そんな期待がジョイント音と共鳴して高鳴っているみたいです。
Cパート
一人寝る前でやることもなく車内で考え事をしている様子です。
今にないもの集めに行こう
語り手にとっての今とは、移り住んで間もないころです。
まだ、新しい土地になれず過去の土地、思い出に思いをはせているのでしょう。
何が今の生活に足りていないのか過去を振り返ることで見つけられるかもしれません。
不易流行を求める松尾芭蕉の気持ちが分かる気がします。
君が足りないそれだけは明らか
「君」が初めて出てきました。
お土産を渡す相手でしょう。
君がいないことで虚無感を覚えるほどの相手であると思われます。
新しい土地に足りないものは多々あるのでしょうけど、真っ先に思い浮かぶ相手が君、そして旅の目的が君に会うことと言えます。
ついでに楽しい思い出を掘り返せるとよいですね。
失敗重ねて育ちあがった
大人に成り上がった後の今に対して、大人になる過程。
当然未熟なので失敗もすることでしょう。
それも今の自分をたらしめるために必要な経験であったことも自覚しているようです。
新しい町にも通じてる
物理的に大垣と東京は通じている。
ムーンライトながらを乗ればまた来ることができる。
そして大人になったとは言え、今後も新しい町で失敗を重ねていくことでしょう。
そういった経験を通して大垣と同様にいい思い出を作ることができるのだと思います。
Dパート
再びサビ。
会いに行くよ
ムーンライトながらにのって
夢の中シミュレーション
何を話そう
ムーンライトながらでは寝るしかないので夢に落ちていったようです。
当然、君に会いに行っているのでしょう。
新しい町で経験したことなど話のネタは多くあると思います。
しっかりシミュレーションしておきましょう。
Eパート
ラスサビ
会いに行くよ
ほっぺたつねる
離れても
また届けてくれる朝の世界
夢から覚めたようです。
ほっぺたをつねって現実であることを確かめます。
今度はシミュレーションではありません。
ついに離れていた君に会えるのです。
朝の世界これも現実世界の隠喩です。
また、夜は大人の世界であるのに対して、大人になる前の土地についたことを示唆しています。
滞在期間は短いかもしれませんが、ムーンライトながらにのればくることができるのです。
これからはどんどん稼いでいって、夜にも会えるようになるといいですね。
終わりに