映画 「大きな玉ねぎの下で」 2025(令和7)年2月7日公開 ★★☆☆☆

原作本 「大きな玉ねぎの下で」 中村 航 小学館

 

 

大学生の飲み会で、いきなり急性アルコール中毒でキイチが意識を失います。

キイチの親友タケル(神尾 楓珠)がおたおたしている間に、

そばに居合わせた看護学生のミユウ(桜田ひより)が応急処置をして救急搬送されていきました。

 

 

おかげでキイチはすぐに回復し、タケルとミユウは知り合いになりますが

お互いに「感じ悪い!」というのが第一印象。

(その病院には病弱なタケルの母も長いこと入院しているようです)

 

タケルは「Double」という昼はスイーツの店、夜はバー、という

複数業種の店で、夜のアルバイトをしています。

 

忘れ物の連絡、備品の発注などのために、昼と夜で管理ノートをつけているのですが

昼間の人からの連絡を見るのが楽しみになっています。

というのも、気遣いもあり字も上手で、

気づくと(顔も名前もわからない相手と)業務連絡以上のやりとりをするようになっていました。

 

 

ラジオ放送のスタジオ

DJのタイジュはゲストのアリに、高校時代の文通のエピソードを話しています。

 

 

1980年代。

小田原の高校の放送部のコタロウとタイジュ。

タイジュは雑誌のペンパル募集に応募して、女子高生と文通することにしたのですが

字が下手だからと、コタロウに代筆を頼みます。

写真交換はタイジュの写真を使ったものの、手紙の相手のアスカとは音楽の話で盛り上がり

コタロウは会ってみたい気になっていました。

 

実はアスカのほうも実際に手紙を書いているのは入院中のキョウコで

親友のアスカは手紙を届ける役目をしていたのでした。

 

                            (あらすじ とりあえずここまで)

 

 

 

 

「大きな玉ねぎの下で」というタイトルを初めて聞いたときは

「擬宝珠を玉ねぎとは失礼な!」と思ってしまったんですが・・・・

法隆寺夢殿をモデルに、「日本武道の聖地」として建てられたから

ビートルズの来日公演に使われたときもけっこう反対があったんですよね。

でも今はもう、「大規模多目的ホール」の位置づけですかね。

 

本作は爆風スランプが1985年にリリースした「大きな玉ねぎの下で」に

インスパイアされて書かれた、中村航の小説を原作に作られています。

 

元の歌は、

ペンフレンドの女の子と武道館のライブを見に行く約束をしてチケットも送ったのに

結局会えずに終わった、という失恋ソング。

これを今と35年くらい前の親世代の2つのストーリーにしています。

 

この歌は、

東京メトロ九段下駅の発車メロディーにサビの部分が使われており・・・

 

九段下の駅を降りて坂道を

人の流れ追い越していけば

黄昏時雲は赤く焼けおちて

屋根の上に光る玉ねぎ

 

ペンフレンドにも失恋ソングにもあんまり反応しないですけど(笑)

このサビの歌詞はいいですね~!

 

九段下駅の(けっこう狭い)4番出口を上がり、九段坂を上って田安門をめざすのですが、

ここのお堀沿いはすごくきれいなんですけど

この人にはそんなのは目に入らず、人の流れを追い越すことしか考えてない。

そして方向は西向きで、ライブの前だったら夕方でしょうから

正面には赤い夕陽が見えて、(高い建物もないから)

武道館の擬宝珠が光ってるのも納得。

・・・・なんて、どうでもいい話ですみませんです。

 

ところで、2つの時代設定なんですが、公式サイトによると

① 2024年

② 1988~89年

とありました。

 

スマホもなかった②の親世代のストーリーが刺さる、という人が多いみたいですね。

いや、スマホどころか、35年前だったら、

携帯電話やポケベルも一般庶民には無縁で、

ごくわずかな人がビジネスで使う程度。

 

それでも、誰かに伝言をたのんだり、掲示板を使ったり、

待ち合わせの喫茶店に電話して呼び出してもらったりして、

約束した場所ではたいてい会うことができたし、

会えなかったら会えないなりに、心配したりいらっとしたり、

そして無事会えた時の喜びもひとしおです。

 

現代パートでは連絡日誌の相手がよく知ってる人だと気づかずに・・のパターン。

昼間のバイトがミユウだということは、観客は全員わかるんですけどね。

(同じ場所でバイトしているのに気づかないのって、けっこう強引な設定。

 業務連絡だったら、名前くらい書きそうな気もするし・・・)

 

昔の文通も、今の業務連絡ノートも、

「手書きの文字」で、書いたときと読むときのタイムラグがある、

というのは共通しています。

けっこう文字からその人の人となりが垣間見えるんですが

最近は手書きの文字をみること、めっきり少なくなりましたねぇ。

 

後半のストーリーは、なんかうまく書けない、というか、そこまで意外性もないので省略します。

一応ネタバレを旨としているので、画像でご説明(笑)

 

 

 

 

上の段の高校生が35年たって、一組結婚し、それぞれの人生を生きているわけですが

全員が53歳くらいだから、そのくらいの年代の人向けの作品だったかもしれません。

 

小説ならともかく、見た目ですぐにバレないようにするためか

ビミョーに似てないキャスティング。名前も隠してるしね。

 

 

神尾 楓珠はただただカッコよく、

桜田ひよりは、子役のときから抜きんでてましたよね。

あんまり邦画はみないんですが、過去作のブログにもけっこうしっかり書いてました。

 

 

 

可愛らしいからラブコメの主役に使われがちですが、

ホントに力のある女優さんなので、作品を選んで欲しいな、と思ってしまった。

 

 

 

ところで当ブログはタイトルにあるように、当初は

「原作本を読んで 映画を観て」だったので、原作のあるものは

手当たり次第に読んでいて、本代もけっこうかかっていたんですが、

今は全然、です。本作の原作も未読(笑)

 

中村航原作だと、前には「100回泣くこと」とか「トリガール」とか

ちゃんと読んでいましたよ。

でも昔のパターンに戻す気は全くないし、

ブログタイトル変えるのも面倒だな~と思っているところです。

 

メトロの駅のポスター

 

中野サンプラザが出てきてたので、中野と九段下はわかるけど

日比谷ってなに??

日比谷公園あたりが出てきてましたっけ?

それともカフェバー「Double」とかラジオ放送局のロケ地でしょうか?