⑱ キリン堂薬局(東池袋)

 

 

まわりを高いビルに囲まれて、閉店した薬局が

まるでバージニア・リー・バートンのえほん「ちいさいおうち」のように

けなげに残っています。

シャッターにかかれた落書きが残念ですが、店名も残っているし

ネオン管もちょっと直せば光りそうな感じ??

 

世間的には「廃墟扱い」されていますが、

それはちがうんじゃないの?って思いますが・・・

 

 

 
ここのことは今までに何度か書いたので、そちらをご参照ください。
 
「昔の写真」はずいぶん探したのですが、
なんとかお店の全景が確認できるのは、1964年の東京オリンピックのころの
この写真くらいです。

 

ひきつづき探します。

 

 

⑲ 青空薬局(薬品)(新宿御苑)

 

キリン堂薬局を「廃墟」とすると、

「廃墟つながり」できまって出てくるのがここ。

いろんな方がSNSにあげているんですが

「新宿1丁目」までしかわからず、現存しているのかも確信持てません。

(10記事以上読んだけど、新しい情報はほとんどなし)

 

新宿御苑駅から四谷図書館に行くときに気にしてみているのですが

新宿通りから見える場所にはなく・・・

 

「手持ちの昭和の住宅地図で見ればいいんだ!」

ということに気がつき、あっさり場所が特定できました。

     新宿区新宿1丁目16-15

ストリートビューをみたら、少なくとも去年まではあったようなので

ちょっと行ってきました。

 

 

 

新宿御苑駅でおりて、新宿通りのローソンとkinko'sの間を北に進むと

東横インの向こうになにやら緑色の塊りが・・・!

 

 

 

あまりに緑すぎて、原型がほとんど判別不明!

 

ここにうっすらと

「青空薬品」の文字が見えます。

 

廃墟というよりは、

グリーンモンスターですね。

 

実は昨日のゲリラ豪雨の直後に行ったので、

猛暑でぐったりしていた緑がひときわ元気になったのかもしれません。

 

 

 

これは10年前のストリートビュー。

シャッターに落書きされていて、もう営業はしていないようです。

2階はアパートなんでしょうか。

 

 

2018年のストリートビューには「村田医院 内科」という袖看板が見えます。

 

戦前の建物ではなさそうですけど、いつくらいからあるのかな?

 

その足で新宿区立中央図書館で火保図を見せてもらったんですが

残念ながらこのエリアはぎりぎり範囲外。

住宅地図も一番古くて、昭和43年でした。

そういえば、ここで古い地図を出してもらうの、はじめてかも。

 

「歴博に行けば昭和37年のがありますが、

事前に電話して問い合わせしたほうがいいと思います」

といわれたけど、

京橋図書館なんか普通に開架に昭和37年の新宿区あるし

今回はたまたま以前にコピーさせてもらった場所から外れてただけでした。

 

ここからは「住宅地図のなかの青空薬局」ということで・・・

 

1968(昭和43)年 

東京都全住宅案内図帳 住宅協会

 

1988(昭和63)年

東京の住宅地図 セイコー社

 

1992(平成4)年

歩きメデス ゼンリン

 

2000(平成12)年

はいまっぷ セイコー社

 

2004(平成16)年

街しるべ ジオ

 

2009(平成21)年

ゼンリン住宅地図

 

家にあった地図を並べただけなので、とくに日付に意味はないのですが

1992年までの間に

村田医院→青空薬局→村田医院 と表示が変わっているのは

おそらく両方が併設されていたのでしょう。(このスペースに並列書きは無理なので)

 

そして2000年以降は空白になっています。

住宅地図は基本的に看板や表札をみて判断するので、

すでに閉業しているのに書いてあるケースも多いです。

この時点で空白ということは、閉業が明らかだったのでしょう。

(地図会社もけっこうバラバラですけど、同じ判断)

 

今回はここまで。

昭和37年の地図が見つかったら、下に追記します。

 

 

 

(追記 7月26日)

 

新宿中央図書館の戦後の火保図にはこのエリアは欠けていたのですが

なぜか、それを基にして作られたはずの

武揚堂の「地図物語」の付属地図にはありました!

(近い年代に作られた複数の地図を編集したりするから、こういうこともあるんですね)

 

 

昭和25~30年ごろということで、ピンポイントでは特定できないのですが

この時期、村田医院も青空薬局(薬品)もまだありませんでした。

なので、予想したとおり、

「戦後、昭和30年代からここにある」と言い切って差し支えないかと思います。

 

都電通りでもないので、写真を探すのも難しそうですが、

想像の世界で、現役自体のここを蘇らせることにしましょう!

 

 

 

(追記② 8月1日)

 

1962(昭和37)年

全住宅案内図帳

 

昭和37年には村田医院があるので

昭和30年代半ばくらいの建物が

今も存在している、ということでしょうか。

(築65年程度。さして古くはないですが、

堅牢ともいえない建屋が残っているのはやっぱり貴重かも)