分かりづらいタイトルをつけてしまいましたが、

ごく最近に観た映画の「関連本」の紹介です。

 

「キンダートランスポートの少女」 

ヴェラ・ギッシング 未来社

 

ヴェラ・ギッシングは、ニック(アンソニー・ホプキンス)が

第二次世界大戦開戦前にプラハからロンドンに移送した

ユダヤ人の子どものひとりでした。

 

 
「ザッツ・ライフ」というバラエティ番組に呼ばれ
客席でニックのとなりに座っていたのがヴェラ。
このあと「感動のご対面」となるわけですが・・・

 

 

映画を見てるときは

「さすが、メディア王の情報収集力はスゴイ!」

と思っていたのですが、

実はこの番組の企画があったちょうどその時、

ヴェラはこの本を書いていて、

自分を救い出してくれた恩人のことを

ヴェラの側でも探していたんですね。

 

 

2度目の番組で、これだけ元難民の子どもたちが集まったのは

ただただメディアの力なんでしょうけど・・

 

こちらがヴェラとニック本人です

 

「キンダートランスポートの少女」の本には

「難民としてやってきたユダヤ人少女のイギリスでの生活」

「終戦後プラハに戻ってからの生活」などか書かれており、

親と離れて見ず知らずの国で生活し、故国に戻っても自宅が乗っ取られていたり

命があっても苦労のほうが多いです。

 

番組だけだと「生きててよかった~」の感情ばかりが強いですが、

逆境に耐え、苦労した上の今の幸せ、なんですよね。

 

 

 

2冊目はこちら

「ハロルド・フライを待ちながら 

       クウィニー・ヘネシーの愛の歌」

          レイチェル・ジョイス 講談社

 

 

タイトルでわかるように「ハロルド・フライのまさかの旅立ち」の原作である

「ハロルド・フライの思いもよらない巡礼の旅」の姉妹編です。

 

 
ハロルドはかつての恩人クウィニーが死の床にあることを知って
突然思い立って800kmの道のりを3か月近くかけて歩いていくわけですが
それを糧に待ち続けたクウィニーの側から書かれたストーリーです。
 
原作者が映画の脚本を書き、この本も書いているので
設定にも世界観にもブレがなく、ストンと腑におちる内容。
 
ハロルドにとってのクウィニーは「昔、良くしてもらった恩人」なのに
妻のモーリーンはあからさまに不機嫌な顔をするし、
彼女からの伝言も伝えていなかったし、心の狭いヤツ!
と思いながら見ていたのですが、
クウィニーは実はハロルドに強烈に片思いしていたようで
やっぱり妻の勘は正しいんですね(笑)
 
クウィーニーのこの上ない幸せな最期をみていると、
ただ命を長らえることだけが良いわけじゃない・・・
終末医療のことも考えさせられました。
 
詳しく書いていると長くなるので、今回は本の紹介だけにしておきます。
 
私は2冊とも図書館で借りて読みました。
「関連本」なので、借りる人もいなくて、普通に書架にありましたよ。
違う目線で映画をもうちょっと深く味わえると思うので
興味があればぜひ!