ツツジを区のシンボルにしてる区が複数あることには気づいていましたが、
なんと10もあるとは! 驚きました。
ちなみに「東京都の花」は「ソメイヨシノ」で、これはまあ誰もが納得ですが
桜を「区の花」にしているのは千代田区だけ。
染井村(今の豊島区駒込)で生まれたのだから、
豊島区は「ソメイヨシノ」で良いような気もしますが
豊島区は「区の木」のほうをソメイヨシノにしています。
「県の花」はけっこうバラけていて、地域性が感じられる気がするんですが、
「区の花」がここまでカブるなら、決める意味ある?
先日の街歩きで、「新宿区がツツジ」というのはちょっと納得したんですが
ほかの区はどうなのか?
とりあえず区のHPの文章を極力そのまま、制定された順に、一覧にしてみました。
① 練馬区 1971(昭和46)年4月
美しい花とみどり豊かな、住みよいまちづくりを進めるために
区民から公募しました。
② 新宿区 1972(昭和47)年10月
江戸時代から昭和初期まで大久保通りの周辺が名所で、見物用臨時列車が運転されたこともありました。
③ 北区 1972(昭和47)年12月
④ 豊島区 1973(昭和48)年
1656年、九州・霧島山のツツジ3種が、染井(現・豊島区駒込)の植木屋・伊藤伊兵衛に分け与え、伊兵衛はこの霧島ツツジの栽培に成功し、江戸中に広がっていきました。
緑のシンボルを公募した結果、ツツジが選ばれ、正式に区の花としました。
⑤ 墨田区 1977(昭和52)年
区制30周年を機会に、区民すべてに愛され、親しまれ、
また緑化のシンボルとしてもふさわしいものという意味合いで、公募により選ばれました
⑥ 文京区 1978(昭和53)年
公募したものから、文京区にふさわしく、すでに多く植えてあり、今後の植栽にも適していることなどを基準として、選定委員会を開いて決めたものです。
⑦ 江戸川区 1978(昭和53)年
公募により区の木、区の花が制定されました。
⑧ 中野区 1979(昭和54)年
緑化推進のシンボルとなるものを、と区民から募集して決めたものです。
⑨ 荒川区 1979(昭和54)年11月
区民の皆さんからの希望が多かったこと、見た目に美しく、丈夫で栽培しやすいことなどの理由で選ばれました。
⑩ 中央区 1986(昭和61)年
中央区制40周年を記念して、区のシンボルにふさわしい「区の花」を公募し、
選定委員会(住民代表等で構成)において、応募結果を参考に選定されました。
明記してない区もありますが、ほとんどが「公募」なんですね。
ただ、「票が一番多かった」とは書かれておらず
おそらくは「育てやすい」とか「排気ガスにも強い」とか
そんな理由で「委員会」みたいなのが決めるのでしょう。
⑩の中央区は一番経緯を詳しく書いていますが、
昭和61年の時点では、すでに9つの区で「ツツジ」だったわけでしょう?
その状況で良く選ぶよね~(笑)
(私だったら)銀座の花で「マロニエ」とか・・・良くない?
⑨の荒川区だって、都電荒川線沿線のバラは種類も本数もすごくて有名なのにね。
⑥の文京区の六義園では(ツツジも見事ですが)紫陽花だってかなりの品種が見られます。
⑤の墨田区は私が育った区ですが、
ツツジよりは百花園の「ハギ」のほうが有名だと思うけど・・・
いきなりですが、これは「武江染井翻紅軒霧島之図」といって
今の豊島区の染井村の植木屋「霧島屋」の伊藤伊兵衛の家の庭の絵です。
ここでいろいろな庭木の品種を作っているのですが、
「霧島ツツジ」を栽培するのに成功したことでも有名。
元々は九州の霧島山に自生していたものの、品種として完成させたのは
ソメイヨシノと同じく「染井村」だから、豊島区の鼻が高くなっちゃうのも当然。
上の絵はものすごく細かく当時の様子がわかるので、
興味があれば検索してください。
豊島区立郷土資料館に行けば展示されています。
そういうことで、一応江戸時代からの歴史がある豊島区と新宿区はともかくとして、
*排気ガスに強い
*アスファルトの高熱にも強い
*ホルムアルデヒドを吸収し空気を浄化する
とか、そういう実用的な理由だけで「区の花」に選んじゃう区は
あまりにプライドがないんじゃないの?
そして(1位なわけでもないのに)「公募で選んだ」という理由をくっつけるのも、
ちょっと卑怯だと思うんですけどね。
ちなみに、これらの区では公共施設(区民ホールや老人ホームとか)に
「つつじ」とか「アゼリア」とか、じゃんじゃん付けてますけど、
全部「区の花」に選ばれた後の「後付け」ですから・・・・
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